2022年03月18日

時代短編集

「まんぷく」料理  細谷正充:編 PHP文庫


とても気持ちの良い読後で、他のシリーズも読みたくなりました。なぜこんなに画面をあたまの中に描くことができるのだろうと不思議に思います。字面を丁寧になぞってゆけば自ずから文面が表現してくるんだと思いました。小説家ってすごいですね。文字で読者の頭の中に絵を描くのだから。そして、6編のそれぞれが違う色合いや雰囲気を持っていて、しみじみとした人情や思いやりを読後に味わわせてくれます。料理編は特ににおいや味わいまで文が語っています。時代が移っていっても人間って変わらないんだね。

春が来たのでメダカの水槽を掃除したら、冬の寒さに耐えて生き残った何匹かがいました。小さなのもいたからいつ生まれたんでしょう。この冬には家の中に入れなかったからごめんなさいでした。バイカモもなくなってしまったので、高田の方の小川へ行って採ってきました。大きなメダカ(5cm)はあとどのくらい生きてくれるのでしょう。人間にすれば私と同じくらいの歳になるのでしょうか?

  


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2022年03月08日

渦 大島 真寿美

「渦」 大島麻寿美:著 文春文庫


久々に感動した物語でした。文楽です。昔は操浄瑠璃って言ってたそうです。多少の文楽への素養も必要ですが、すらすらどころか一機に読み通しててしまいます。この語り口である大阪弁がまた、道頓堀の雰囲気をべっとりと纏わりつけて放しません。とにかく面白いです。読まないと損です。文楽を見たくなります。

なぜ政治家たちは「打倒プーチン!」を叫ばないのだろうか。居間世辞かこそ声を上げるべき時なのだろうに。マスコミも甘い日和見に身を潜めて中立を装っている。世界が皆、自民党みたいだ。NATOは何しているのだろうか。暴力に立ち向かうのには何をすればよいのか、政治学よ!教えてくれ


  


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2020年08月08日

横山秀夫です。



「第三の時効」横山秀夫:著 集英社文庫
以前読んだのは、「半落ち」「動機」だと思う。で、もあまりにもこちらの情の襞まで見透かされて怖いと思ったので敬遠していた。しかしこの「第三の時効」を読んで、この裏がえしの情までもえぐられる快感はまさに心理学です。だれにでもある心の選択が自由なんだけど、どうしても行ってしまう方向がある。それを見透かしてしまう経験。怖いけど強いそして極めて危ない。緊張感の連続だろうね。こんなひと(登場人物)は居ないんだろうけど、居るんだ(作者)。
リニアはいらない  


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2020年08月03日

伊坂幸太郎


 
久しぶりの投稿 「砂漠」伊坂幸太郎:著 新潮文庫
学生時代の変な友達そして巻き込まれる話。でも巻き込まれるというより進んで巻き込まれている。若いってこういうことなんンだよね。ポジティブに入っていけてどこまでが面白くて危ないのかを知らないこと。とても今では出来ないことをやってしまったのは若さ。今では戻れない時間。こうして歳をとっていくんだね。70歳ってなんか寂しいね。だから歳は考えないけど今を楽しくって思う。相対性理論のユーチューブ見てたけど、すべてこの世は相対性だね。
 唐突にリニアはいらない。リニアは進歩なのか、必要不可欠なのか将又、宇宙や科学に貢献するのか?多分無用の長物となる。  


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2020年04月29日

おかむら

あの岡村がとんでもないことを喋ったそうです。チコちゃんをやってるあの岡村がです。ようするに、女性蔑視、人権侵害等の根本的思想に至るコメントをオールナイトニッポンのラジオで喋ったそうです。細かい内容は、ニュースの欄で把握してください。現代社会の歪の根本を理解せずに公共放送のマイクの前に座って、断片だけの上っ調子で語ると、その後ろにある極めてドス暗い闇とのつながりを引き釣り出してしまうことに気づかない愚かさを提示してしまうのです。単細胞の私でさえも、この発言の意味は大きな爆弾であると思います。そしてこのことが無かったかのようなマスコミの姿勢も日本の隠蔽、閉鎖性、放っておけば、時間が過ぎれば忘れる的な空気でお茶を濁す、とても怖い社会に慣れ果ててしまったようです、NHKも日本テレビも情けない会社にイメージ付けられました。  


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2020年04月21日

見た記憶がある黒い三角錐:2



昼休みに切りました。切り口はガタガタですが、一応三角錐です。こんなに難しい立方体をむかしの人はいとも簡単に作ってしまったのですね。でも多分昔の三角錐の受付はどこにも残っていないのでしょうね。その辺にあったつまらないと思われていたものも結構苦労して作ったものもあったのでしょうね。家の物置の中の古い道具も大事にしようと思いました。黒く塗って受付の白い文字を入れます。単なるノスタルジーと笑わば笑え  


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2020年04月21日

見た記憶がある黒い三角錐



昔、見たような記憶がある。机やカウンターの上に黒い三角錐。受付っていう白い字が書いてあった。古い映画でも見れば出てくるかもね。学校や会社の受付だろうね。もう、みんな捨てちゃったのでしょう。でもそれが何故か欲しくて作ることにしました。ところがです。三角錐っていうのがイザ作るとなると難しいのです。このデジタルの時代だからキャドを駆使して作図はしたものの、アナログの木材の加工が如何に難しかが解りました。斜めに切ること自体が難しいんだよね。でも毎日少しづつ切っていったらここまで進みました。もうじきです。
 そんでもって、アボカドの種を見ていたら、正三角錐に内接する球の半径はどうしたら解るんだろうと思って作図していったら、難なく出来ました。昔だったら、めんどくさくってすぐに諦めていたんだろうね。今を感謝。  


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2020年04月12日

栗本薫と「さるなし」



「絃の聖域」栗本 薫:著 講談社文庫

多分、当時はセンセーショナルだったんでしょう。この作品もであるが、この栗本薫という人物そのものへの驚きです。文才が無いからすごい!としか言い表せないので、歯がゆいのです。同時代的に読んだ人は衝撃的だったでしょう。でも、名前は知っていたけど誰も強烈に進める人が周りにいなかったもんね。なかにはいって、この長唄ってものが、いまの歳(70歳)になってようやく何か深いもので、日本的なる叙情の文化の一片であることを認識できる年齢に達したことを自覚しました。それほど大げさなものでは無いのかもしれませんが、なかなかの印影を表現しています。
 


「さるなし」永橋君の蕎麦屋さんです。このキャノピーみたいなのを南東にも作りたいとのことで、行ってきました。



ここに、作るんです。外でも食べるんです。すごい外部空間なんです。ほんとうに旨いんです。そばが!
  


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2020年04月03日

京極なのだ


「百器 徒然袋 雨」京極夏彦:著 講談社文庫

まあ徹底的に面白いこと限りなし。勧善懲悪、推理などしなくても、確実な事実を把握して感情の赴くままにドタバタとスッキリ処理をする。これが哲学。だからまた読みたくなる、榎木津、中禅寺である。やたらと長いのも頷けるけど、カバンが重い。隙間の時間でも、持ち歩いて読みたくなる。もう中毒である。表紙が暗示している。  


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2020年03月17日

柚月裕子



「あしたの君へ」柚月裕子:緒  文春文庫
極めて温かいからと言って甘く見てはいけない。短くても言っている内容は深い。普段心理学に一言ある私だが、このコツコツと学ぶ姿勢こそ心理学者のあるべき姿である。いすに座っていてはひとの心は読めない。他人を十把一絡げに分類する机上など捨てて、学術に溺れることなく、十人十色の心であることを知ってほしい。そんな不遜な言葉も浮かぶ、有意義な本でした。  


Posted by 新茶 at 11:33Comments(0)