2013年12月31日

今度は



今度は田作りを頂きました。皆さんには今年もたくさんの贈り物を頂き、大変有り難く思います。おせち料理の一つのこの田作りは私の小さな頃からの大好物で、苦みを含んだこの豊饒なる海の奥深さを幼少の頃から気に入っていました。これもまた各家々で味が違い、余所の家の田作りを味わうのも楽しみでした。今回の頂き先はSJ女史です。まだ味わっていません。明日の元旦に大事にとっておきます。皆様方にはこの一年、読んだり観たりして頂いて感謝しています。良いお正月をお祈りいたします。ありがとうございました。  


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2013年12月30日



喪中ということ、だけどいいじゃん、というわけで、ひそやかに、伸し餅を搗きました。だからお雑煮を正月に食べるんです。去年の餅つきでは母がこの機械を傍らで車椅子に乗って見守っていました。今年は親子三人で手分けして二枚を作りました。おいしそうです。何処かでは臼と杵でやっているんでしょうね。その家ごとに固さや歯ごたえが違うのも味のあることです。風情って大事にしたいものです。  


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2013年12月30日

夢枕 獏



「大江戸釣客伝」上下 夢枕 獏:著 講談社文庫 を読んだ。前回読んだのは「鮎師」。釣りをほんのちょっと齧っただけの私でも興奮して読んだ記憶がある本でした。今回の釣客伝もこれまた面白くて一気読みでした。本の進み具合というのは不思議なほど歪んでしまうのだ。それに、ほんの小さな時間でも面白ければ本を開いてしまいます。途切れなく読めば情景も繋がりますから尚更展開がスムースです。こんなことを書くほど面白かったということです。登場人物は元禄のスターのオンパレードで、最たる悪者は綱吉で、例の「生類憐みの令」が生み出す釣師が蒙る禍のはなしです。芭蕉の弟子の其角、英一蝶、津軽采女、水戸光圀、紀伊国屋文左衛門、吉良上野介、浅野内匠頭、歌舞伎役者などが一度に登場するこの面白さは江戸という時代の歪んでいるけど面白い時代をイカンナク表現しています。英一蝶の絵もじっくり見てみたいと思うストーリーでした。夢枕 獏さんは惹きつけるのがウマイ。
  


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2013年12月25日

聖護院大根




佐野設計さんから聖護院の酢漬がお昼に届きました。お願いしてはいないのですが、酢漬の話をあちらこちらでしていたので多分、頂けたのではないかと思っています。ありがとう!早速お昼に全員で頂きました。皆さんにこの味を味わって頂くことは出来ませんが、☆5なんです。息子も絶賛していました。右はおかぴーさんに頂いた酢漬けの残り酢にこれまた頂いた大根を入れて食しています。おかぴーさんの蕪の酢漬けもそれは特筆ものなんですが、佐野さんのこれもまたスゲーと言わせるべく気品と清冽さは稀にみるものです。仄かな苦みが昆布のダシと絡んで、素材の味をイカンナク引き出しています。もったいないので夕飯にも食べられるよう残しました。下の絵は例の文机の脚です。こんな細工でも貧相な我が家に品格を付加できるんですね。  


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2013年12月25日

六道 慧


「桜の仇討」

「恋時雨」
六道 慧の「いろは双六屋」シリースの四冊が終わりました。例により表紙の件ですが、こういうとっつきやすさを表面に出すのも有りなのでしょうが、創り上げた内容はさらっと漫画のようなことでは無い様な気もするがまあいいとする。四冊の底辺を流れる噺家の極楽邸有楽師匠の活躍が見ものなんです。色々な事件も人間の欲が根底にあり、その欲の顕著に表れている庶民に接触の多いのはこの主人公の生業なのである。故に理解し解決するのに苦労するのである。庶民が主役だから、大体に於いて侍の役回りは悪人に回る。人間味あふれる登場人物満載で、キャラが傑出して読んでいて楽しいことはこの上無い。四冊はとても楽しく読めた。





  


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2013年12月21日

たらちゃん「Okeiko cafe]



たらちゃんの「Okeiko cafe」がもうじき完成です。たらちゃんの店は喫茶店だけど、それだけではない。陶芸をやるし裁縫もやります。本人はその上、かっこいい自転車であちこちを駆け巡るし、サーファーでもあります。専攻は理科。知る人ぞ知る先生だったんです。そのたらちゃんはすごい感性の持ち主で、私の概念を悉く打ち砕いて意気消沈させてしまいます。私が如何に何か既成概念に囚われ過ぎているかを目の前に提示してくれます。言葉でそのようなことは一度も語ったことはないのですが、行動を作品を見れば一目瞭然です。でもそのたらちゃんは私の稚拙なデザインをば包みこむような、許容するかのような纏め方、いや纏めたりはしないで、そのまま存在させる手法を会得しているようです。遊ぶという概念が身に付いた人、そして、語る前に手を動かす人です。陶芸や裁縫を皆さんに教えながら、一緒に楽しみたいとの考えのようです。永年陶芸に興味を抱いてきた私にとってまさにインパクトのある事件なので、これから作ってみたい壺、仕覆に挑戦してみようと思っています。たらちゃんの母親が私の小学校の5年の時の担任の先生で、静かで大人しく存在感の無い私を覚えていてくれたことに感謝しています。出来たら皆さんも寄ってみてください。  


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2013年12月18日

映画、親鸞、本



「楽隊のうさぎ」をサルナートで観てきた。甥の娘が出ているので、姉がチケットをくれた。見る側に「こうなんじゃないか」「あーなんじゃないか」と考えさせる内容です。しかし今の子供達を見ていれば判る。語らないのである。喋らないのである。言葉を使わない、無口な少年少女が多い。自分もこの時期の頃はそうだったのかもしれない。自分の言葉を持つには時間が必要なんでしょう。踏み込めない自分にいらだちながらも少しづつ何かを学び、掴んでいくのかもしれない。若いっていうのはその過程なのかもしれない。劇中の幼馴染の友は演奏会を見に行って登校してきたのだと思う。ただそれだけのことなんだけどスゴーク身に染みた映画でした。



静岡新聞「親鸞」の絵
だいぶ間が空いた親鸞の絵だけどこの2枚はきにいっている。原画が見たい。山口晃っていう画家は近くて遠い。烏帽子を被った老人のスケッチは男の苦悩が見えてきます。町屋の断面のアイソメはユーモラスに精緻に画いていて観ていて楽しくなります。

  


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2013年12月15日

赤飯


 
オカピーさんから頂いた赤飯をK2さんが届けてくれたので、地の神様にお供えしました。亡母の喪中ですが、普段神仏に手を合わせる事の少ない私故に、母なら多分歓迎するでしょう。何時の頃からか地の神が無くなった我が家では私が復活させたわけです。来年もお札を替えます。信じるとかではないけれど、大地に感謝するということです。この在って当たり前だと思われている地球にです。おかぴーさんありがとう  


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2013年12月12日

かぶ



さっき、おかぴーさんから頂いてきたかぶの酢漬です。赤と白。温かい白いご飯との組み合わせは正しい冬を教えてくれます。酒飲みにもまた、垂涎ものでしょうね。赤いかぶの赤は地中の何処からこの赤をひきだしてくるんでしょうね。白いかぶは黒目の皿に盛って、トウガラシも昆布もちょっと添えて出すとそれはもう正しい日本の景色でありまする。何故か清められちゃうんです。穢れてなんかいないけどね。かぶの入った味噌汁もいいね。煮過ぎちゃだめだよ。歯ごたえが無くなるから。かぶには高貴と俗を超えたものがある。おいしく頂こう。

台の机は伊久美村からスケッチ代の代わりに頂いた文机で骨董ものなんです。見立ての判んない人には汚い傷だらけの文机です。夜は私の枕元に鎮座して本を読むときのランプ台になります。用と美の極致なのだ。  


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2013年12月12日

いろは双六屋「明烏」



「明烏」六道 慧 ろくどうけい 徳間文庫
時代小説はフィクションのようでいてもフィクションとは思えないほど我々の時間のすぐ裏側にいるようだ。私達と同じ時を過ごしているかに思えてくる。細かい気の廻し様を読んでいると今も昔も変わらないんだなんて言ってしまうと、違うんだね。だって今の人が書いている訳だからね。こんな風に罠に嵌るのも気持ちのいいものです。口入屋というプロダクションみたいな稼業のちゃらい若旦那が廻りの何か一つのものに秀出ている達者な人達に支えられながら、いや、廻りの人を助ける話なのだ。廻りの皆で助け合うのだ。作者が違えばまた違う主人公や色々なキャラクターをもった人間達に逢えて楽しいものです。今この双六屋の続編の「千両花」を読んでいる。これまた喝采です。よくこんなに色々な事件を考えるよな。テレビドラマでみたいとも思う。  


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