2015年03月25日

木内昇と丸山宗利




「漂砂のうたう」木内 昇:著 集英社文庫を読み終えた。木内昇は女性。彼女のことが、先日読んだ雑誌に写真や諸々が載っていた。野球少女なんです。少女?それで以前読んだ「地虫鳴く」の時にも同じ様なことを書いていた。けれど、もう一度書く。そう、上手いんです。ていうか、読むのに吾輩のような凡人にはスムースに字を追えないんです。でもゆっくり噛みしめながら焦らずに進むと、これまた、エモイエヌ日本的な世界が見えてくるのです。ナーンチャッテなんですが、解かったつもりになります。背景の奥底が永遠の闇の連続。どんなにしても見えない、そんな過去が現代の以前にズーット続いていて今が在る。理不尽とか理論的だとかを時が踏み潰してゆく。人間てのは随分むちゃくちゃな生物です。木内 昇の抱えた世界は何故か眦や口元の笑みにヒューマニズムの欠片が見えてきます。全く当を得た感想ではありませんが読んでくれてありがとう。

「昆虫はすごい」丸山宗利:著 光文社新書も読んだのである。ツノゼミだけじゃなく昆虫です。この世界のアカデミーはとんでもない人達が地球を走り回っているんですね。そしてこの地球上の生物が如何に面白いかを教えてくれています。ようやくこの齢になって眺めることが出来ました。人間の創りだした文明や文化もとてもおもしろいのですが、生物として地球に存在し、進化し、命を繋いでいる不思議さもスゴイです。地球が思考している生物のように思えてきました。脳だけで思考するのではないんだね。昆虫というシステムかな?

   


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2015年03月18日

免震ゴム

 免震のゴム会社が責められていますが、認定無しでどうして公官庁の建物に使用されたのが不思議です。使われる前の時点で不可ゆえに弾かれていた筈で、今更可笑しいといわれようが、ある時点でOKが出ていた筈ですし、そのOKがどの時点で誰が下したかが問題なので、ゴムの会社はどうして認可されていないのに使用許可が下されたのかを洗う必要が有ります。話が民間の業者に責任を押し付けている感じが、記事を読んで、しました。何処かに黒い経過があるようです。それにしても、これら既にある幾つかの建物を壊して一から造り変えることを、責任を取る業者が引き受けることなんて出来るわけが無いと思います。どうして、何故今になって?時間的に可笑しいですね。
 免震というのは、どんな状況化でも水平が維持できないと理論は成り立ちません。揺れたり突き上げられたりしたら地盤が傾くのは必然だと思います。横揺れだけだとしても、建物の偏芯が有れば基礎部分の水平維持が困難な筈です。それにゴムの圧密や経年変化はダイジョーブなのかねー。ゴムで地球と建物が縦方向にエキスパンションてな感じだと思ってしまっている私が、間違っている?
   


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2015年03月16日

藤沢周平の



「孤剣:用心棒日月抄」藤沢周平:著 新潮文庫 でした。江戸での浪人生活がまたもや始まりました。でもこのその日暮らしの中に又八郎の思い込んだ使命が浮き出されて、その潔さに読者は共感してしまいます。上手いね。使命とは?藩を守ること?いや、そうでも無いような。
 読んでいて、剣術の戦いの場面となると、チャンバラや殺陣のことは全く解からないから、多分あーではないか、こーではないか、と勝手に時代劇の場面を思い浮かべて読んではいるが、やられてられていなければホッとする訳です。又八郎がすごい剣術使いであることは読めています。剣道を少しでもやっていれば、深読み出来るのかもね。
 表紙もまたすばらしい絵です。人恋しくなる河口の暮れで、人々の声や三味の音や猥雑すべてを含んだこの時代の暖かさが伝わります。この歪みは村上豊の特有なのですが、現代人の心に響きます。  


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2015年03月13日

到着「象虫」



「象虫」小檜山賢二写真集 出版芸術社が届きました。すごいんです。わー!なんでこうなるの?とか感嘆詞の連続でこの虫の世界は地球の歴史そのものに見えてきました。進化してるのは人間か?神様はいるのか?宇宙の命題ってなんだ?頭はグルグル回ります。こういう刺激は久々ですね。飛べない羽根を持ったのも居るんだって。なんかよくわかんなくても生物として存在するんだよな。ツノゼミもスゴイです。でもよく考えれば、自分達の人間も昆虫から見れば奇怪その物ですよね。なに?あいつ!てな輩がうようよいるし地球は壊すし、人間が一番怖いんです。  


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2015年03月11日

ツノゼミと鳩笛草

タイトルだけ見たらなんだかわからない。


青木先生の甥、で同級生の息子さんの丸山宗利さんの「ツノゼミ」です。本のサブタイトルは ありえない虫 です。藤枝の有る場所では有名な本です。まず読んだ、見た人が驚きの「えー!」「なんだこいつは!」「うそー!」「ありえねー!」なんて声を上げるのが必須だから面白い。兎に角、地球上の生物の不思議さに唖然としてしまい、皆にみてもらいたくなります。擬態とか、進歩とかってダーウィンと話したくなります。いいですねーこういう本。そんで次の「昆虫はすごい」光文社っていう新書が読みたくなりました。本屋に聞いてみよう。で、「象虫」の写真集をアマゾンで注文しちゃいました。これまたすごいんだゾー!



「鳩笛草」宮部みゆき:著 光文社文庫を読んだ。超能力の三篇です。宮部みゆきで気がついたこと、それは超常現象の時に、止まった顔がイメージできるのです。それは非常に冷酷であるが、情熱の籠った顔、や姿勢がイメージしてしまうのです。こういう現象を全く信じていない私も想像の中では思いっきり劇をつくって眺めています。楽しいです。時代的には恩田陸より現代というかアナログ的です。いい加減な事を言ってますね。  


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2015年03月09日

鈴木先生の茶会









昨日8日(日)に静岡の鈴木宗宇先生の茶会に、喫茶店「苑」の中山夫妻と招かれたので出掛けてきました。臨済寺の壺中庵での釜です。木戸に半紙だけのつつましやかな表示です。二度ほど延段を折れて待合で次の席を待ちます。薄茶二服で、主菓子と干菓子。茶碗は黒楽の銘のある茶碗、と唐津、萩、京焼など。花は利休梅、月光椿を竹尺八に活ける。釜は裏ゴウ釜という珍しい釜。軸は臨済寺松堂和尚の筆の「桃花笑春風」、香合は鶏大鼓というものでした。茶会というものは其々の先生方の美学が表れてくるようで、人と成りがみれるのが楽しいものです。未熟な私には理解できないそのひとの軌跡が積み重なっているように思えます。鈴木先生もこの茶会が最期だそうです。寂しいですが今日の茶会はとても元気な先生が映っていました。じっと自分をも見返す一日でした。  


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2015年03月05日

藤沢周平





「用心棒日月抄」藤沢周平:著 新潮文庫 を読んだ。脱藩して、江戸でその日暮らしをせざるを得なくなった東北の武士、又八郎が時を同じくして忠臣蔵の事件と係わり合う展開は、これぞ時代劇ってな感じで、拍手喝采です。なにせ、剣術の立ち回りも劇画的で素晴らしい。てなことを言ってますが、剣道は知りません。解かりやすくて面白い藤沢周平です。
 芸術新潮の昨年の11月号の京都博物館の特集です。あの谷口吉生の京博です。例によって水面とキャノピー。しかし内容は建物ではありませぬ。あくまで中身です。山下裕二+千宗屋の解説、そして挿画は山口晃。以前見た時はなにを見ていたのか。すごいのがイッパイつまっていいるんだ。雪村の鯉が有るんですね、ファンタジーの極みです。
 「木守」写し、赤楽茶碗です。赤とかって色の話では無くこの輪郭の描く線の素晴らしさです。固い直線でもなく、奇を衒った曲線でもなく暴れたふりの自由さでもない、細筆でサラツと引いたモダンな線です。それが有ってこその赤と黒なんです。しかしこれが、写しで、本歌は長次郎の「木守」なんです。ため息の出るようなデザインです。口径11.7cmで小ぶりなんです。  


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