2014年03月30日

掏摸



「掏摸」中村文則:著 河出文庫 本屋で帯に釣られて買ってしまった本が手つかずだったので読んだ。スリリングで、冷たくて、緊張を強いるストーリーが、主人公の虚無感を現していますが、少年との接点だけが希望なのかなにか解からないけど光だと思いました。記憶の片隅に残る先品です。続編があるらしいけど、有るという事は・・・ということ。

中学時代の恩師が亡くなられた。私のこんがらがった時代の支えだった先生でした。私の様な面倒な人間にも眼を背けることなく厳しく優しく接して下さいました。葬儀に接して、もう居ないんだという事に涙が止まらなかったけど、心の中で「ありがとうございました」と叫びました。  


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2014年03月28日

舟を編む



「舟を編む」三浦しおん:著 光文社
図書館に予約しておいた「舟・・・」がようやく読めました。順番待ちなので当たり前ですが、しおんさんは人気作家なんですね。でも映画は観ていません、読んでからと思っていましたので、機を逸してしまいました。まあいいか。一冊の本を作るのにかかる時間と手間の膨大な事、人の思い入れが尋常でないと出来上がりません。ましてや、辞書ともなると想像しただけで、いや想像も出来ない程の叡智がつぎ込まれているのだと思います。私達の回りにある一つ一つは誰かの、大勢の人の叡智の賜物なんだね。感謝すべきことです。
 文中にはこれぞ、という言葉がイッパイ出てきますが読んでみてください。すてきな本です。

袴田事件っていうタイトルも替えないといけません。静岡地方検察庁も酷い人達がいるんですね。まあこの手の組織が税金で生きてる事を思うとイカリシントウニタッスルってな状態になります。こういうのを悪人っていうんです。  


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2014年03月26日

鬼やらい



「鬼やらい」上下 小松エメル:著 ポプラ文庫 
以前読んだことのあった一鬼夜行の続編です。子鬼の小春と道具屋の喜蔵、その他妖怪やら人間を織り交ぜた幻のお話。その実、人間の気持ちと同じ寂しがり屋しか解からない物語です。だって人間が、小松エメルという作家が書いているのだから当たり前です。色々な魑魅魍魎やらが登場して、地獄やら想像でしか、異次元でしか有り得ないドタバタが繰り返されるのだが、全てはこの人間の頭が欲するように行動してしまうという事だね。寂しさ故の欲望です。たわいのないと云えばたわいもないのですが、それでもこうして読み続けられる面白さの価値は在ると思うんです。
 
 この頃ポール・サイモンのエッセンシャルを聞いていました。以前植民地主義じゃん、なんていわれていましたが、なかなかの才能の表現力が観れて唸ってしまいました。音の創りが上手過ぎる気配がロックから、一歩離れてはいるけれど、これがポール・サイモンなんですね。一つ一つの曲は素晴らしい構成力を持っています。聞き流していた曲も改めて感じ入った次第です。「僕とフリオと校庭で」「アメリカンチューン」「ダンカン」も懐かしくて胸を撃ちます。忘れていた何かが甦りました。  


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2014年03月16日

アトポス



「アトポス」島田荘司:著 講談社文庫 978頁の文庫本でした。世にも恐ろしい中世ヨーロッパのお姫様の話とビバリーヒルズの血で血を洗う連続殺人事件前編(3/4)の後、最期の事件現場に暗闇坂で登場した御手洗探偵が登場。いとも簡単に解決。読み終わってあーすっきり。島田荘司の2編はスローモーションのように丹念に描写されて濃密な時間を読者に与える。一つのシーンを漏らすことなく読まないと、あとで納得出来なくなるのが怖いから、休むことなく読み続けてしまうのだ。これも怖い事です。怖いと云えば全編を覆う血の惨劇です。中世の吸血鬼の話から、死海のほとりの撮影現場まで延々と繰り広げられます。がしかしこれで怯んでいてはミステリーは面白くないのです。御手洗の登場やモスクと舞台、そして患者達に多少の違和感を感じても、素通りしましょう。事件の一つ一つを整理してゆけば必ずや糸口が見えてくるのです。なんちゃって、全然見えませんでした。もしかすると?っていうのが徐々に開示されるんですね。これでいいんです。因みにアトポスとはアトピーの症状を指すみたいです。  


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2014年03月14日

今朝の新聞



3月14日の静岡新聞です。論壇は政治評論家の今井久夫氏の「戦争放棄と祖国防衛は違う」
中国という国に対しての日本国民の認識、いや国という概念の欠落を危惧した論文で日々仕事でアクセク、バタバタしているこちらに「そーか」という気持ちを抱かせる。中国も国民と政治家が完全に遊離しているもんな。これ以上書けないし、頭が廻りません。

「言論」斎藤美奈子の「被災地より東京重視か」
納得しました。大体、両方出来るの?金と時間在るの?ってことです。消費税アップで賄おうとするの?「おもてなし」のクリステルさんは?どう見ても復興は進んでいないし、電力会社は責任を親身に感じている風には見えません。目先を五輪に向けさせる政治には胡散臭さも垣間見えてしまいますが、税金とはなんだろうと考えてしまいました。  


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2014年03月10日

町並みゼミ

昨日、第10回しずおか町並みゼミin蒲原宿宿に行ってきました。<防災とまちづくり>が゙テーマ。気仙沼市の復興の模様も聞けた。参加の予約してあったのを忘れていたので、大遅刻。まち歩きには参加できなかったけど、グループごとのワークショップでファシリを担当が決定済みだったらしいので、エイヤ!と覚悟の上で始める。そのうえ発表の役割まで追加の憂き目に遭遇。何が何だか解かったような判らないのか進んでしまいました。皆さんこんな私で、ごめんなさい!笑い声も聞こえたからステップとする。五十嵐邸を見直したことでもあり、晩餐が頗る豪華絢爛だったので、蒲原の女性陣に感謝いたします。



1グループノ発表:頭の中はパニック状態なのだ。平穏と落ち着きを装っている。背戸も捨てたもんじゃない。



2グループの発表:県立大の若い衆が担当。ボーズはいけてるシステムです。



3グループの発表:片△さんなのだ。



中庭がロマンチックな空間であることに気が付きました。



お手伝いさんの部屋ですが、清教徒的ストイックな美しい部屋です。板の橋を渡って行くのだ。



見過ごしていた掛け軸なんだけど、達筆も達筆。吾輩ハ漢詩は読めません。



襖絵が豪華でクラクラ。この世の物とは思えません。



天袋の金箔。スゴイダロー。こんな家に住んでた人が居たなんて。





言ってみれば、本題です。サクラエビノかき揚げ。本物と偽物ガあるそうで、本物は一匹がデカい。味も濃い。そのかき揚げを思う存分食べたのだ。そのうえ、サクラエビのチラシズシ(蒲原ノオネエサン方の作品)も、新鮮の極致のサシミも鱈腹頂いて苦しい腹ヲ抱えて帰路に着きました。遅刻したけど、有意義この上無い蒲原でした。私は何をしてきたのだろう、などと問わないことにする。来年も皆に会いたいなー。







  


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2014年03月09日

しあわせなミステリー

「しあわせなミステリー」宝島社。4名の作家の短編集。どれも秀逸ですが、印象に残ったのが中山七里の「二百十日の風」でした。解かりやすくて、ちょっとファンタジック。劇中のどたばたや鼻息が見えてきた。上手なんだね。他の作品も綿密に組み立てられていて溜飲が下りるので、眠りに落ちるのには最適です。



しゅららぼんの映画を早く観たいなー。「とっぴんぱらり・・」も買ってあるよ。  


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2014年03月06日

摩耶雄嵩



「隻眼の少女」摩耶雄嵩:著 文藝春秋 でした。初めて読んだ摩耶雄嵩。水干を着た少女の登場の意味がずっと解らず仕舞いだったけど、どうでもいいことだった。小さなことに振り回されてはいけないのだけれど、象徴的であることを付加しないと中心がボケてしまったので、あえてこの設定が必要になったのかもしれない。まあ勝手な推量です。時間や時がテーマかと思いきや実は怨念だね。人というものはずっと覚えているんだ。そしてそれに雁字搦めになって、身も心も破滅に向かってしまうんですね。あー怖いですね。
それにしても、ハードカバーはふとんの中では指に手に堪える。文庫本を愛してしまうのだ。ことしの冬は風邪をひかなかった。がしかし、しばらくぶりに会った人に、体と年齢(以前ノ面影ガ無い)について意見された。黙って聞いて心にしまっておくことにした。物事というものは時間が経つと違って見えるものなんですよー。なにせ、その目も時間を喰ってるんだから。
  


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