2017年03月26日

シェイクスピア



「十二夜」シェイクスピア:著 安西徹雄・訳
5月に藤枝でシェイクスピアの劇を演るというので、昔(30数年前)読んだけど、さっぱり忘れていたので新しいのを買って来た。三角関係というのしか覚えていなかったけど、今読み返してみれば、イタリアの中世や、虚構と現実、観念と理性、愛と憎悪などいろんな対比が劇の中にギヤップを笑いに変えて哲学をしている。ヨーロッパの中世は愚かでもなく実は社会で獲得した人間達の言葉が確実に理性として積み重ねられていると感じた。ことばの美しさや時間、諦念観、そして悟りに関しては日本ほどで無いにしても、この哲学性は現在の西洋の理性の基本かもしれない。確かに石積みのように確実に堅固である。なにを笑うか?自由でない固定観念である。故に道化は空を飛ぶのである。
  


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2017年03月24日

北村薫



「冬のオペラ」北村薫:著 角川文庫
三篇の連作。今までどの北村を読んだのか覚えていなかったので、確かに未読のこの「冬のオペラ」を読むことにした。何故か少し緩いかな?と勝手に思い込みの一冊だった。緩そうで緩くない。非常に文学的な速度の文体で、いたる所で大事なフレーズが振りまかれている、計画的に。気持ちの良い読後感です。名探偵の巫をカンナギと読むことにびっくりしました。「なんてよむんだったかな?」って何度もページをもどりました。食傷気味にならない術が在りそうです。なので続けて読みたくなります。「遠い唇」が待ち遠しい。  


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2017年03月18日

また森見



「新釈走れメロス」他四編 森見登美彦:著 祥伝社
何だかんだと言いながら読みすすんでしまうのが森見です。何が上手いのかよく分からなかったけど、少しこのボンクラでも分かってきました。このボンクラ頭が常日頃なかなかひとに自分の言葉を伝え切れていない時に感じるモドカシサを森見はすらすらと運んでゆきます。この情景を伝えたいけど、何故かぶんしょうにすると違うんだよなってところを、こんなにすらすらと言ってのけるんだ。こうして読み返してみると全てが森見が描く世界は、多分一般人が伝えきれなかったのをこんなに上手く表しているってことなんだと少し分かりました。作家って文字で他人に自分の描く世界を伝え切れていると思うと、すごいことなんだと思う。

この五編は森見の中身がよく読める短編の連作です。先に読んでいれば、有頂天な狸ももっと面白く深く読めたかもしれませんね。京都は面白いです。  


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2017年03月08日

三毛猫3弾目



「三毛猫ホームズの怪談」赤川次郎:著 光文社文庫
全てがいい加減な設定なんだけどそれでなくては成立しないし、面白くない。よってそれでいいのだ。登場人物もはっきり色分けされたらミステリーにならないわけで、いろが決まった時点で、事件は解決するのだ。事件が発生したのには訳が合ってその訳と人物の色が決まって合えば解決。色が不明な人物が犯人なのだ。色を此方の頭に執拗に刷り込んでくる作者も居るね。騙されないぞって感じです。 このシリーズのレギュラー陣の組み合わせがいかにもほのぼのしていて、大量殺人事件や血腥い死体のオンパレードも何故かすらすらと読み進めてしまう要因なんだと思います。まあこの辺のカテゴリーを狙うのは赤川次郎の狙いなんでしょう。うまいです。
   


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2017年03月05日

京極夏彦


 
「西巷説百物語」京極夏彦:著 角川文庫
久々の京極です。もう粗方読んでしまった感のある京極ですが、裏切りませんね。濃いし、思惑と愚行の過去が辻褄合わせでからみつきます。それに大阪弁が妙にマッチするんです。大阪の空気がべったり満載でんがな。異境です。是非読んでミナハレとはいえ、ゼーンブ繋がっているんだよね、だから、巷説百物語から読むのがベターでおます。京都へ行っちゃったかな?

森友学園ってスゴイ。人も周辺もね。これ以上書けません非難中傷の羅列になるからね。多分みんなが思っているのと同じです。だからと言って官僚達が変わるわけではない。ここが本当のスゴイところなんです。  


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2017年03月03日

きんかん



きんかんのジャムです。ジャムとマーマレードの違いは知りません。おかぴーさんの所で頂いた金柑1.2KGで作りました。同じ分量位出来ました。実は以前種を取らずに実のまま作ってパンに塗るときオオジョウしたので、今回は最初に手を入れて作りました。じまんの作ですが、家内が煮るのをやりました。でもストーブのねつも利用しています。まだ、細かくしてもいいかな?って思いますが、ミキサーやフードプロセッサはあとの洗いや片付けが面倒だから、包丁が一番だね。ほかの柑橘類もやれそうです。あの白い部分の繊維質にミネラルが含まれているんでしょうね。りんごジャムが少し残っているので、それが終わったら、このジャムが朝のパンに載ります。おかぴーさんからいっぱい頂いた野菜はすでに跡形もなく我が家の住民の体に吸い込まれてしまいました。カリフラワーは野菜の王様です。おかぴーさんありがとう。生き延びていけそうです。
  


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