2014年01月31日

葉室麟

葉室麟

「花や散るらん」葉室 麟:著 文春文庫 を読みました。前回の「いのちなりけり」の続編で、登場人物達が忠臣蔵の事件にどの様に係わり、一体あの事件とはなんだったのだろうか、浅野と吉良の確執は何処で生まれ背景には何が有ったのだろうか、を葉室独自の歴史感で描いています。前回も非常に面白かったのですが、これもまた、それ以上に興奮して読みました。公家と武士の軋轢を底辺に置き、名誉と命そして人への思いが人の生きるべく道だと語っている。登場人物の込み入った絡みに中々付いて行けなくなるけれど、読んで行くうちに自然と判別出来てゆくので諦めないで読み続けられます。今までの忠臣蔵の事件のイメージを大きく変えているところが面白いところです。因みに「花や散るらん」は いかにせん都の春も惜しけれど馴れし東の花や散るらん の歌で女人熊野が遠江の母に合いたいと清水で泣いて詠んだ歌です。人を思う気持ちが人を動かす。葉室麟はいいことを言っています。



Posted by 新茶 at 11:03│Comments(0)
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