2017年03月18日

また森見

また森見

「新釈走れメロス」他四編 森見登美彦:著 祥伝社
何だかんだと言いながら読みすすんでしまうのが森見です。何が上手いのかよく分からなかったけど、少しこのボンクラでも分かってきました。このボンクラ頭が常日頃なかなかひとに自分の言葉を伝え切れていない時に感じるモドカシサを森見はすらすらと運んでゆきます。この情景を伝えたいけど、何故かぶんしょうにすると違うんだよなってところを、こんなにすらすらと言ってのけるんだ。こうして読み返してみると全てが森見が描く世界は、多分一般人が伝えきれなかったのをこんなに上手く表しているってことなんだと少し分かりました。作家って文字で他人に自分の描く世界を伝え切れていると思うと、すごいことなんだと思う。

この五編は森見の中身がよく読める短編の連作です。先に読んでいれば、有頂天な狸ももっと面白く深く読めたかもしれませんね。京都は面白いです。



Posted by 新茶 at 15:04│Comments(0)
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