2012年05月10日
「九月が永遠に続けば」
沼田まほかる 著 新潮文庫
ありきたりの日常の中にも形の見えない心の惨劇が潜んでいる。安易で傍若無人ないたずらが心の均衡を狂わせて人生まで変えてしまう。今までだったら読むのを止めていたが、挑戦してみた。本の雑誌の国内ミステリー部門1位、第5回ホラーサスペンス大賞だった、ということで最後までよんだ。そーなのって感じ。際どい性表現があるけど60歳過ぎてると気にならない。主人公の心理はなぜか理解できない私ですが、こういう人って居るんでしょうね。強いて云うなら主人公は文彦だったってこと。服部の脇役設定はうまい。それにしても人に惹かれるって何処がどうどなって、そうなるんだろう。得体の知れない脳や遺伝子の成せる技なんでしょうか。人間の世界を形作る要因なのに面白いことの一つです。こんな種類の物語を読み続けたら、ピーマン、らっきょ、玉葱みたいな私なんぞは異常な行動に走ってしまうかもね(いや、走っているのに気付いていないのかも。自分の事は見えないのだ)。相当強い人でないとこの類の本は書けない。まほかる さんってどんな人なんでしょうね。
ピンボケは意図してないけど、こうなっちゃった。文句ある?
塩見 寛の東京大学の学位論文(博士号)の発表会を聞きに行った。「旧宿場町における計画意図の解明と継承に関する研究」っていうテーマでした。マトリックスを使った解析方法で、宿場の歴史を層序という言語を用いて切り口を開いて分析していました。難しいですが、なかなかこの切り口はユニークで有効です。普段日常使う事のない言語が一杯出てきますが、じっくり読んでみましょう。 塩見さんは塩見さんの道を行く。
Posted by 新茶 at 11:35│Comments(0)