2012年10月27日

また高島哲夫

また高島哲夫
 「トルーマン・レター」2004年の発刊文庫です。何処からか出現した原爆を落とした張本人、トルーマンの手紙が題材。この手紙を拾った元新聞記者が真贋を探るうちに色んな事件に巻き込まれ、酷い目に会いながら解決する、というか解決に向かう。背景には過去の恋愛。---面白いですねー、高島は時代に即した大きな、有り得ない事件を作って、事件の背景にある本質を問いかけてきます。前回に書いた、ナチスの遺伝子操作などは、生化学の持つ真実と幻想、倫理感とか神?の狭間を問いかけていました。今回は人間の中にある憎悪とか差別とかが、すべての人に在って(動物などは生存上必要、差別ではない)それらを理性や社会観で持って、色々な人達と共存していくべきなのか、憎悪と差別が何を生むかを語っています。
 恋愛を下地に書いていますが、この恋愛を書くというのは書き手の恋愛観を書くわけで、書いたような恋愛を経験したわけでもなく(したかもしれない)想像の形を書いているのだろうと思うけど、読者はフーン、この人はこういう時にこういう行動をするんだ、と描いてしまいます。私だったら少し違っていたんだろうな、と感じてしまう事がタダあると思う。(これには男女の区別など存在しない、あるとすれば言い訳)その恋愛観における他人との差異が取りも直さず自分らしさの基本かもしれない。コミュニケーションの基本はここに在る?
 



Posted by 新茶 at 08:20│Comments(0)
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