2013年03月23日

京都の謎

京都の謎

 「魔界都市 京都の謎」火坂雅志:著 PHP文庫
歴史の都京都の怨霊と闇の世界を網羅した内容である。京都というエリアにある寺院や神社全てがこの怨霊に抗うための装置と云えると著者は言っている。そしてこの膨大な怨霊達が今、現在も渦巻いていると言っている。歴史的な都市故の宿命なんだろうが、これらをそのまま引き継いでいる京都人もスゴイことですね。原因と結果の科学的処理が出来ない時代の産物ですが、信じる信じないとかより、それに頼らざるしかなかった人達の足掻きでもあるわけだから、結果としての興味は募るばかりです。歳をかさねると魂とかのイメージに弱くなるんだよね。今日も葬式に行ってきましたが、その人の思い出は大事にしたいと思いました。文中で面白かったのは。稲荷と茶吉尼の話と小野篁が魔界と現世を行き来する話でした。まあ観光でざわざわ歩くのも面白いけど、こんな歴史も知っておくと面白いかもね。
 小さなカットは「紫匂う」の囲炉裏での小枝に火を付ける絵なんだけど、手が美しくて艶めかしい絵になっているのは、背景がそうさせていると思った。とってもいいです。
 書評の「高瀬舟」森鴎外です。切ない安楽死がテーマですが、森鴎外にかかると言葉に出来ない涙を誘います。私が好きなのは、興津弥五右衛門の遺書です。候文の傑作で、これまた切ない武士の話です。ソレガシギで始まります。読んでみてくれー!

 瀬戸川の桜が咲き始めましたよ。ボントロさんとうちの母にも見せたいと思って桜の下を通ってきました。
 



Posted by 新茶 at 17:33│Comments(0)
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