2017年10月26日

再びの赤川次郎



「鼠、闇に跳ぶ」赤川次郎:著 角川文庫
又出てきました赤川次郎。やはり菊池寛を感じさせる巧さで江戸物の典型をテレビドラマ仕立てで見せます。こういうのは反則じゃないかと思ったりもしますが、巧すぎて赦しちゃいます。こう書いていても、菊池寛の「形」が頭の中をよぎります。鼠シリーズを読んでいてもその江戸の持つ日本という形が見えてきます。本当かどうかは判らないけどね。多分、共同幻想に違いないだろうけど。1の「江戸を疾る」は図書館に無かったので、2番から読んでいます。この前テレビでやってたよ!って家内が言ってます。
 
  


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2017年10月24日

ホトトギス



ホトトギス、風知草、名前は知らないけれど、なにやら赤い花を付ける木。そして棕櫚竹。ホトトギスは毛虫のような不気味な模様のくせにかわゆい。なにかを逆手に取って愛されている。長けた植物である。秋の深みを演じる素材でもある。



台風が来るし、実が落ちて道をべたべたに汚すので柿木に昇って全部切ってしまいました。知人に配った残りがこれ。色合いがセザンヌしてます。柿はアルコールで頭痛や吐き気がするときには、是非食べてください。モンゴロイドはアルコールを分解する酵素が無いので、細胞が異物(危険物質:毒物)と判断するそうです。ゆえに長い間戦い続けるとガン細胞が発生します。そこで柿のタンニンがアルコールを包み込んで、無いものと判断されるので、すーと吐き気が収まります。気を付けましょうね。不随細胞のストレスを減らしてください。長生きが出来るかも。



一つだけ残った鳥への贈り物。柿の木の近くの同報無線の鐘は爆音です。ウエストミンスターもかくありなん。大多数の幸福の為に我等家族は耐えしのぶのでごじゃる。


 
隣の家の干し柿です。干し柿の景色は歴史文化の景色ジャン。支離滅裂な秋の脳髄でした。
  


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2017年10月23日

菊池 寛2



「恩讐の彼方に」菊池 寛:著 岩波文庫
なんだけど、新潮文庫に入ってなかった「形」「名君」「解体新書」「俊寛」「「頸縊り上人」が読みたくなって買ってきました。面白いのは、巻末の「注いるまいと思うが」なのである。菊池寛をよく表していて頷くばかりか、いや、そうでもないぞと思ったりもする。シェイクスピアがイギリス人をあらわしているのと同じで、日本人の人々のなんたるかをよく表していて、うまくないどころかとてもうまく掴んでいるのである。そして心打たれるのであり、ジーンと涙するのである。でもこんな日本人も少なくなって権威だけ着た昭和の爺さんが増えてきた。残念である。
  


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2017年10月21日

エチュード



「エチュード」今野 敏:著 中公文庫
今回は呪術やらまやかしではない。れっきとした心理学です。とはいえ苦手というか、学問としては不可解な領域で、自分の心理は自分にしか解る訳がないだろうなんて思っているので、はっきり言って信じません。でもこれはそれで単純な心理学で面白かった。この事件はもともと起こりえないなんて思いながらも、一機に読むなんてことをしたのだから、いいんじゃない、のってカンジ。本当に今野は僕にとってはムラがある。



踏台も作りましたが、下手です。ビスの位置がドリルとぴったり合いません。すこーしずつズレてきます。なので最後にズレの集積が見れます。難しいものです。予期していましたけど、悔しいですね。もともと不器用な私ですからいいとしてそのままにします。塗装をかけてみます。でもあと一つや二つ文机を作ります。こうご期待!  


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2017年10月14日

陰陽師



「玉兎の巻」夢枕 獏:著 文藝春秋
本当に久しぶりに晴明と博雅の掛け合いにしみじみ、でした。もう30年にもなるんですね。マンネリどころか、サスティナブル、マニエリスム的日本の文化とも言えます。ときどきでてくる呪は言葉、なんだ。はじめに言葉ありき、っていうことでこの音という抽象が連続したら具象のイメージを想起するという言葉が人間を人たらしめている。コミュニケーションの始まりはここにありって、ことかな。不思議とファンタジーがスーっと入ってきます。葉二の笛ってどんな笛なんでしょう。『蝉丸』は知らなかった。



「文机」ふづくえがここまで出来ました。筆返しのある経机ではござらぬ。このあと多少色をしみこませた後に、ウレタンを塗るのじゃ、フフフ。ちょっと天板が高めなのは、人間年を取ると目が定かでは無くなるし、食卓に使うときでも、箸から口が遠いと、こぼすのじゃ。まあ座高が高けりゃしょうがないけど、それは自業自得。もう一つや二つ、木目じゃないのを、真っ赤と白色なのも造ってみようかと算段をしておるところじゃ。この口調は道満。そのうち死ななければいつかは出来る筈、こうご期待あれ。注)両袖の円や欠きこみは、モダニストとしての記号・・だ。  


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2017年10月11日

パラレル



「パラレル」今野 敏:著 中公文庫
空手、武術と呪術は私の好みではない。この武術系は演じる側と見る側では全く好き嫌いが分れる。やらないとまったくその面白みが理解できないだからいっぱい文章で書いてあっても興味が湧かない。内田樹も武術の話になると気がそがれる。私には向かないのだろう。美学的に弓道はかっこいいとは思うけどその程度である。戦えないのである。ましてや呪術の世界を読んでも、うそじゃんってな感じでファンタジーは感じないのである。今、夢枕獏の晴明の玉兎の巻を読んでいるけれど、この平安時代のファンタジーは素直に読めるのである。以前からの晴明のシリーズでここまで幻想を引きずってこれたのも不思議である。SFが嫌いなのではない。大体小説なんて幻想なんです。二人以上いれば共同幻想だもんね。宇宙誕生も地球消滅も一瞬の瞬き どすえ  


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2017年10月04日

アキハバラ



「アキハバラ」今野 敏:著 中公文庫
碓氷のシリーズ2弾。もう読むのが少なくなってきた今野だけどまだまだ有る。このアキハバラはドタバタの連続で息を持つかせず終わりまで一機である。ある田舎モンが起こすつまらない事件が、いろいろ絡まってスパイやらやくざ、ねーちゃん、店員、店長、ロシアマフィア、そして警察警官なにがなんだかわからなくなるかと思えば、解るのである。それは、今野の腕です。時系列を乱さない、アナログを大事にするからあとで、あーだったじゃないなんて手法は撮らない。誰がどういう行動言動かが見える。これは大事なことで、文章とはこいうことを指すんだと思いました。そうです、小説はアナログの極致なんです。そして通奏低音は情感なんですね、ヒューマニズムなんちゃって。次はパラレル。米澤穂信「いまさら・・・」がまだだ。  


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2017年10月01日

クローズアップ



「クローズアップ」今野 敏:著 集英社文庫
引き続き布施の暴力団と議員を追う取材。テレビのスクープが持ち味だと云っているが、新聞でも構わない、要するに記者。どんな時でも怯まない。上司だろうが、組長だろうが、議員だとて、が、黒田にはちょっと違う。このコンビは出来過ぎ。この二人の人間性は皆目不明なところがいいのか、ダメなのか解からない。

このごろの政治家が判らない。ポリシーが無いのか政策がないのか、バカなのか、日和見なのか、なにをして市民に対して役に立とうとしているのか、政治学とは?トランプやジョンウンもそうだ。政治家って要らない?行政だけで済んでしまうのか?それに政治記者もコメンテーターも肝心要の政治については私利私欲と金と力しか語れない。この船はどこへ流れてゆくのか誰も知らない。フワフワとこんな愚痴を書いても、しょうがないって解かっているんだけれど。みんな諦めているね。ほっとている、放り投げて手元の成すべきことだけをして、遠くは観ていない。



  


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