2019年04月20日

誉田龍一の2冊目


「消えずの行灯」本所七不思議捕物帳:誉田龍一 著
絵筆のような文体であざやかにくっきりとシーンを作ってドラマのように動き始めます。読者が頭の中で描くように展開します。上手いというより魔術かもしれません。こんなふうに書ければ実況アナウンサーも可能です。色々な人の小説をよんできたけど、こんな人は始めてだと思う。ディテールも構成も捻りが効いていて結びも爽やかです。もう少し読んでみようかと思います。  


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2019年04月19日

庭木




今年も春が巡って来ました。自治会が終わってホッとしたので念願の庭いじりに手を染めました。松の手入れは済んでいるので比較的に楽でした。頭が混乱してニッチモサッチモ往かなくなった時に、松の木を触りました。心が荒んでいたので、切りすぎたようです。
 上は父の形見の牡丹。この牡丹が好きだった、そしてどんな天候にもめげず、毎年咲きます。真ん中はカマツカ。可憐に花が咲きます。確か、静岡の護国寺のシズオカクラフト展の帰りに買った記憶がある。盆栽だったはずだが単に鉢植えでのんびり過ごしているという風情になってしまいました。これでいいんです。下はヒメウツギとシロヤマブキです。今を盛りと花をこれでもかと付けています。あの過酷な冬を私と一緒に超えて来たんですね。
 山田正博くんは彼岸に行ってしまったけど、まだ病気の不安を抱えた拙者は生きています。まだ69歳です。随分と生きて来たんですね。69年という自覚がないけどね。  


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2019年04月11日

手習い所


「泣き虫先生、江戸にあらわる」手習い所 純情控帳:著:誉田龍一
副題やらなにやら長い題だ。それに狙っているものが表紙に浮きに出ている。がしかし、である。そういうステロタイプを見せながら、また、こんな低い位置から、ゴメンくださいなんて言いながら、なかなかの面白さを破たん無きディテールを駆使して披瀝してくるところは素晴らしい。なにせ、シーンが描きやすいので、物語性まで優しく描けるのだ。時代劇ってのはこうでなくっちゃ。次が読みたいね。  


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2019年04月06日

宮部みゆき


「とり残されて」宮部みゆき:著 文春文庫
7編のうちの「たった一人」にやられました。なんといえばいいか解らないけど、こんなこと有りそうで無い。けれど頭の中では時々出てくる状況。全てが幻想だった?宮部の真骨頂でした。荒唐無稽なSFよりずっとSFなんだよな。
 話変わって、鳥の話。とりが飛ぶ前の翼竜の話。空を飛ぼうと欲したのはあの無骨な恐竜達だったのか?羽根を持った昆虫類がいたのか?羽根を持つということを啓示したのは神?空を飛ぶという自由の獲得は生物にとって大きな哲学的意味をもつ。ボラーレ  


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