2017年11月28日
緑
「こうふくのみどり」西加奈子;著 小学館文庫
ラテンや生物に近い、あるがままの多様性を許容し、醗酵して腐敗に近くまで到達した文化ともいえる浪花の匂い。情熱で生きる、そして死ぬ。緑は中学生でそれを知る。でも本当にそんなものが有るのだろうか?かってに作ったイメージかもしれない。有ると思い込んでいる。刷り込まれた大阪。いや、自然に獲得したトポスなのかもしれない。まだサラバは読んでいない。今日、お母屋の玄関に弟(身障者)用に踏み段を作った。浜松の姉も左が不自由なのでこの踏み台が活躍すると思います。たまには役に立つものも作ります。愛知の息子は歯を食いしばって、がんばっているかな?親ってこんなもんですね。情感は大阪人も藤枝人も同じです。
赤い文机を朱に塗り直しました。下のは既存。そして黒いのも作ってしまいました。まったく何やってんだろう?
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19:27
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2017年11月22日
西加奈子
「円卓」西加奈子:著 文春文庫
じゃりん子チエのシリアス版でもあるし、んー。ことばで言い表せない情景を感情をはりめぐらしている。難しいのかもしれないが、そういうふうに読まずに読んだ。ドロドロの大阪だけど、ただ古いだけの個性かもしれない。一冊目だから解らないけど、たぶんこの調子がこの人なんだろうと思います。例えば開口健の猥雑さの向こうに見える崇高な観念と高貴な生物賛歌とおなじく、大阪の泥からみえる命の強さと畏敬の念を大阪弁をこれでもか!とのたうちまわらせる文体。ここまでやれば新しい小説ではある。ジワーと読まずにいたことを後悔させるのである。
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19:38
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2017年11月16日
ぼくはまだ、横浜でキスをしない
「ぼくはまだ、横浜でキスをしない」樋口有介:著 角川春樹事務所
表紙からして今時の若者と、アウトな中年の都会らしいミステリーなストーリーでした。このブログを休んでいた時にこの樋口有介を読んでいたのですが、何処がどういう風に面白いと語るのが出来ません。普通だけどこの気持ちの持っていき方は自分だけかと思っていたら、この登場人物も同じだったのか、と同調することが多かったので次々と呼んでしまったわけです。面白かったという一言でも言えることなんだけどね。多分に都会のちょっと金持ちのちょっとインテリ、景色は横浜、そして電動自転車、さわやかな青春ものです。妖怪な猫もでてくるからまさしく今風。
次は西かな?
「小さな踏台」を作りました。池田建築の篤っちゃんに切ってもらいました。soraの居る加工場にて。前回の踏み台は自分で切ったため、のこぎりの刃の厚みという微妙な寸法の差を考慮していなかったので、箱ものの最後に差の集積が出てきてしまいました。此の辺の違いは匠のすごさで、ぶきっちょには深遠なる世界がみれたと申せましょう。まだ未塗装でビスも打ってないのですが、そのうちに仕上がるでしょう。もう一つの文机もタンタンと進んでいます。へたな自作もブルータリズムとかの語彙で誤魔化します。塗装もそれなりにブルートです。フォルムの意図がモダニズムなんです。こんなことを宣うちに地球は高速で自転しているんだよね。
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08:56
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2017年11月10日
いまさら翼
「いまさら翼といわれても」米澤穂信:著 角川書店
6編の短編集で1「箱の中の欠落」2「鏡には映らない」3「連峰は晴れているか」4「わたしたちの伝説の一冊」5「長い休日」6「いまさら翼といわれても」1:生徒会長の選挙の不正を暴く。2:さかさまといじめ。3:山岳遭難救助とヘリ。4:まんがを書くか読むか。5:言わないことが怠惰。6:進路の基点に立つ不安 大体こういう中身だろうけどすごくうまく書いているのでハハーンとなる。奉太郎の伸びやかさは、私の日常とは大違いなゆえにこういう風に生きなおしてみたいものです。がしかし、主人公であるが故の、普通うの人間を装っていても結果、オールマイティーです。たしかに穂信はうまい!図書館に返してきました。西加奈子の前に樋口有介を読みます。
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14:40
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2017年11月10日
赤
赤く塗りました。ところがこの赤は希望の赤ではありません。出来れば稲荷の鳥居の朱に塗りたかったのですが、カシューの朱、要するに丹ですね。高いんです。だから赤のペイントと橙の色を混ぜました。割合はいい加減です。ペイントだと少し白が混じって濃いピンクですね。まあこれも良しとします。クリアを塗ったほうがいいのかなあ?サンダーを掛けてもう一度塗ればいいのかも。この文机で書き物ができるか心配です。色に貴賤は無いけれど、まやかしが有ると感じるのは私が生物だからですね。昆虫、植物の色彩もそれ故ですね。
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08:50
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2017年11月06日
犬はどこだ
「犬はどこだ」米澤穂信:著 創元推理文庫
犬探し探偵という職種が人探しや、古文書解読を否応なしに始める(仕事を選ぶほど裕福ではないから)。なんか身につまされる仕事の運びなんだけど、よく考えれば有る筈もない展開やらで、おもしろおかしく読めました。6,70年代のアメリカのシガナイ探偵の日本版でした。おわりのどんでん返しも当を得ています。自分に置き換えると、私のこれまでも似たような展開で、一般人からしたら、よくこれで過ごしてこれたな、と思います。とはいえ、その一般人にも焦点を当てて見れば、珍奇な行動も多だあるし、物語の一遍にもなる人生なんでしょうね。
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08:12
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2017年11月03日
文机と踏台と落下
水性ウレタンを塗りました。ところがです、2階の階段からこの机と私が共々滑り落ちてしまったのです。肘や膝を打つやら擦り剥くやらで、痛いのなんのでしたが、机を抱きしめながらだったので、なんとか無事でした。その落ちてゆく映像や気持ちの展開がまさしくスローモーションだったので「あー、こんななんだ、おちてゆくってー。」痛い思いをしました。階段から落ちてゆく経験はそんなに出来るもんではないし、大事に至らなかったから良しとします。家族は、「事務所でなにかあったの?なんか音がしたけど?」なんて随分経ってから、こちらを向かずにどうでもいい感じで話しかけてました。夜シャワーを浴びたら、あちこち血が滲んでいました。ヒリヒリ。そんなこんなで塗り終わったんですが、角が痛んでいます。それもいいか。
右は掻きこみ、左はキャンティの袖板。2作目の机がちょっと見えるが、シナベニヤなので、ウレタンはむずかしい。オイルふきなんでしょうね。はたまた、色ペンキだね。
踏み台もラワンベニヤなのでウレタンを塗りました。一段目は変更で、開閉できるように蝶番を付けて中全体が見えるようにしました。ちょっと大きいので小さいのも欲しくなりました。こうして工作をすると大工さんの細かいテクニック、機械の素晴らしいことに感心しています。インパクトは優れものです。
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11:15
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