2013年08月10日

母と本と山口晃

母が八月八日で満九十三歳になった。祝い事なんだけど当人は美味しいものが食べられることも無い。こういうのもなんだけど良く生きている。私の感情の揺れと志向はとても良く似ている。こんな顔をしているときはこんな気持ちというような判断は的確である。遺伝子である。違っているのは、母は泣かない人で、ガマン強い人です。今でも痛いとは言わないので、困るときもある。病院には入れないのでこの暑い夏を自宅で耐え、お盆を迎える。

母と本と山口晃

「縮尻鏡三郎」上・下 佐藤雅美:著
時代小説の雄、佐藤雅美を初めて読んだ。同級生のAGT君に教えて貰った作者ですが、読んでみて判ったのは、この作家は私にとってはとてもハードルが高いということです。江戸時代というシステムを詳細に提示してくれているので、それを理解出来ないと前に進めないのです。しかしこれを少しでも頭に入れておくととてもスムースなんです。本題とか趣旨をさりげなく語る故に余韻は倍加されます。普通(今まで読んだ時代小説)の倍に時間が係りました。その時代によって社会システムが違えば行動や言葉は意味を大きく違えてしまうかもしれないのですね。題名の読みは「しくじりきょうざぶろう」で武士の腐敗した社会で、武士が如何様に生き抜いていくかがテーマです。でも武士って公務員だったんだよね。今と変わらない所も垣間見える。

母と本と山口晃

親鸞の絵(山口晃)気に入った絵です。モノクロの淡彩。細密でありながら擦れた線が我のハートをくすぐります。躊躇しない構図の想像力は読者に文から受けたイメージを案内させてくれます。すごいことです。

写真が暗い。買い替えの時期のようです。S110はいくらかな?




Posted by 新茶 at 09:42│Comments(0)
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母と本と山口晃
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