2013年10月14日
山本一力
「いかずち切」山本一力:著 文春文庫
江戸時代の金融、経済のシステムを理解していないと前に進みませんが、読んでいるうちにナールホドとなんとなく理解しちゃいます。そのまた裏の社会の人間達が繰り広げる騙し合い。そして信じ合う仲間たち。そう倍返しの物語です。金を持てば騙し合いが始まるんです。如何にして騙して金を手に入れるか、そして金の亡者になるか、その亡者を如何にして貶めることが出来るのか。面白いですねー。500ページにも及ぶこの物語はずーと眼が離せませんでした。登場人物の描き方が上手いし、背景も頭で描き易いし、読み手は劇画を書いてしまいます。いきいきとした市井の人間達が江戸の社会の主人公であったことは確かなようです。
Posted by 新茶 at 21:39│Comments(0)