2013年12月12日
いろは双六屋「明烏」
「明烏」六道 慧 ろくどうけい 徳間文庫
時代小説はフィクションのようでいてもフィクションとは思えないほど我々の時間のすぐ裏側にいるようだ。私達と同じ時を過ごしているかに思えてくる。細かい気の廻し様を読んでいると今も昔も変わらないんだなんて言ってしまうと、違うんだね。だって今の人が書いている訳だからね。こんな風に罠に嵌るのも気持ちのいいものです。口入屋というプロダクションみたいな稼業のちゃらい若旦那が廻りの何か一つのものに秀出ている達者な人達に支えられながら、いや、廻りの人を助ける話なのだ。廻りの皆で助け合うのだ。作者が違えばまた違う主人公や色々なキャラクターをもった人間達に逢えて楽しいものです。今この双六屋の続編の「千両花」を読んでいる。これまた喝采です。よくこんなに色々な事件を考えるよな。テレビドラマでみたいとも思う。
Posted by 新茶 at 14:41│Comments(0)