2013年12月30日

夢枕 獏

夢枕 獏

「大江戸釣客伝」上下 夢枕 獏:著 講談社文庫 を読んだ。前回読んだのは「鮎師」。釣りをほんのちょっと齧っただけの私でも興奮して読んだ記憶がある本でした。今回の釣客伝もこれまた面白くて一気読みでした。本の進み具合というのは不思議なほど歪んでしまうのだ。それに、ほんの小さな時間でも面白ければ本を開いてしまいます。途切れなく読めば情景も繋がりますから尚更展開がスムースです。こんなことを書くほど面白かったということです。登場人物は元禄のスターのオンパレードで、最たる悪者は綱吉で、例の「生類憐みの令」が生み出す釣師が蒙る禍のはなしです。芭蕉の弟子の其角、英一蝶、津軽采女、水戸光圀、紀伊国屋文左衛門、吉良上野介、浅野内匠頭、歌舞伎役者などが一度に登場するこの面白さは江戸という時代の歪んでいるけど面白い時代をイカンナク表現しています。英一蝶の絵もじっくり見てみたいと思うストーリーでした。夢枕 獏さんは惹きつけるのがウマイ。



Posted by 新茶 at 08:57│Comments(0)
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。

削除
夢枕 獏
    コメント(0)