2014年07月16日

銀の匙

銀の匙

「銀の匙」中 勘助:著 角川文庫
学生時代に読んで、懐古趣味ジャン、変わったボンボンの耽美主義ではないかなどと斜に構えたみ方をしていた自分を思い出しました。逆にこれほど素直に共感した文章も珍しいし、句読点が少ないにも関わらず、美しい文と感じてしまうのも、何故でしょう。幼少期から十七歳までを懐古記述し、巷の口語体も方言を使いながらも美しい雅とさえ思える気品がある。音の響きまでの心遣いが感じられます。それが全編に亘っている。名著といわれる所以ですが、この齢になって再読して理解した次第です。にほんごの芸術の一つです。フィルターを捨てて、一字一句を丹念に読み、ジワジワくる涙も味わって下さい。




Posted by 新茶 at 09:02│Comments(0)
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銀の匙
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