2014年11月19日
「赤絵そうめん」
「赤絵そうめん」とびきり屋見立て帖 山本兼一:著 文春文庫
とってもいいお話です。がしかし、残念です。今年の二月に亡くなられたので、私が読むのは、そうめんの続編の「利休の茶杓」だけになって寂しい限りです。。京都三条の道具屋とびきり屋を営む若い夫婦が遭遇する江戸末期の出来事を暖かい視線で創り上げた物語です。前の二冊を読むともっと解かりやすいと思います。今回は茶の湯が満載で(というより茶の湯そのもの)、読むほどにへー、と感心することが多かった。家元の若宗匠は有り得ない人間ですが、面白い場面を創り出すのにはこれも良しとします。物語だもんね。表紙絵も作中の夫婦そのもので、暖かさが滲み出ています。作中には大事な言葉が幾つか出てきます。附箋を張ってまた、思い返せるようにしておきます。兎に角、大好きな本です。
Posted by 新茶 at 15:32│Comments(0)