2015年02月05日
オロロ畑
「オロロ畑でつかまえて」荻原 浩:著 集英社文庫
をノンブレスで読んでしまいました。なんてそんなわけないだろう。そういう感じなんです。題名はサリンジャーをパロッているんでしょうね。2000年ころの本だけど、昭和の人間が今の時代に必至にしがみ付いて生き続けているペーソスを感じました。15年以上経てばギャグやパロディーも風化してきますが、ノスタルジーでもあると思えば読めます。荒唐無稽やアリエナイ!はSFかな?と思えばよいのだ。まあ色々難点はあっても面白いスピードが荻原節です。多分次の小鳩組もそうなんでしょうね。この荻原があの「明日の記憶」を書いたわけなんだけど、じっと考えると何処かに共通する、「自分なりに他人と時代に生きる」が見えてきます。そういうのは秘かにかな。
昨日の静岡新聞の「袴田事件」の記事です。先日「検事の本懐」を読んだので、現実の事件が如何に酷い状況に置かれているか、理不尽さにびっくりしてしまいました。事実は小説より奇なり なんです。一番気になったのは、知っていたはずの事をあたかも知らなかった風を装いながら煙に巻いていたことです。ワー、スゲー!警察とか検察、どっちでもいいんだけど、悪いことをしてしまうんですね。そして「ゴメンナサイ」を言わない人間が平然と公官庁に居ることがこの国のかたちなのです。
Posted by 新茶 at 08:41│Comments(0)