2017年04月22日

芥川龍之介

芥川龍之介

「偸盗、地獄変」芥川龍之介:著 新潮文庫
北村薫から六の宮で、平安貴族の成れの果て、あるいは、ひとの極限も人であることをどこまで書けるか?みたいな菊池寛とのレースです。ミステリー仕立てでないのが芥川の天才的文章であり、素人を煙に巻いてしまいます。こうしてじっくり読むと、やはり文学です。雲の高みで書いています。短編集で何度も読んだ筈だけど、小さなちょっとしたシーンは見逃がしています。こころの推移が日本的なんだと思いました。どの編も重たいです。往生絵巻は宗教です。南伸坊の表紙は素晴らしいの一言で、この表紙が欲しくて戸田書店に行きました。
 次は菊池寛だぞー! この芥川の前に「海の見える理髪店」を図書館で予約してあったのが順番が回って来たとのことで、読みました。次の待ち人がいるので、一晩で読み通して返しました。座敷わらしの荻原浩が過ぎ去ったじょうけいを美しく優しく大事に描いています。ぜんぜん悲しくは無く、ひとの生き様はどんなでも美しいのだと思いました。作家は人の絵を描いている。



Posted by 新茶 at 08:51│Comments(0)
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