2012年02月17日
浅田次郎「地下鉄にのって」
久々の浅田次郎。亡き父の過去と出会うタイムトリップ。今そこにいた人々の過去とも出会い、現在の自分をまわりの人の過酷な運命というか、生きざまにより確実な自分の一歩を学ぶ主人公である。身につまされて、自分の生き様のなんとかるいことか、泡のような上滑り的いいかげんさを感じた。私の回りの人は私が思っているよりもずっと壮絶、過酷な毎日を過ごしているのかもしれない。見えないだけ。恨んだり憎んだりすると、見えなくなる。愛おしくなれば見えるのかもしれない。忌まわしく思えた自分の過去も懐かしく思えたときに、人は自分を、他人を本当に愛したと云えるのだろう。懐かしいということは大事な時間の1ページだ。いい本

Posted by 新茶 at 09:05│Comments(0)