2012年09月02日

清張「蔵の中」と雑多

清張「蔵の中」と雑多
 清張の時代物短編集である。表紙はこれでいいのか?いささか疑問が残る。確かに人の中にある暗闇(どうしようもない世間や時代と個人のギャップ)が書かれてはいて、外れてはいないけど、清張はもう少しその人間の心も許しているような気がする。「あんたも、同じ心を持っているじゃん」。と親鸞みたいなところもあるような。とするとこの表紙は少し違うのかもね。読者というのはどんなに悲惨で愚かな物語でも小さな隙間に希望を探すんです。でないと読み切れません。他のミステリーと違って謎解きは主題ではない。心理なのだ。解りやすい短編集です。

日曜美術館で東山魁夷をまたやっていた。「残照」は八ヶ岳を入れた?モネの「日の出」も映っていたけど、松田正平の「周防灘」シリーズの筆使いが思い出された。



Posted by 新茶 at 11:56│Comments(2)
この記事へのコメント
僕も今、図書館で借りてきて松本清張の短編読んでいます。
初めて読むけど、面白いと思っています。
なんだか、好きになるかもです。
Posted by とくちゃん at 2012年09月04日 20:35
嬉しいなー。でも僕のように他の作業に支障を出してはいけません。ホドホドにね。
Posted by 自称詩人 at 2012年09月04日 22:44
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清張「蔵の中」と雑多
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