2012年09月08日
乾山晩愁
「乾山晩愁」葉室 麟:著 角川文庫 短編集であるが少しずつ関連して繋がっている。
すごい の一言ですむのかもしれない。全ては繋がっている。乾山晩愁、永徳翔天、等伯慕影、雪信花匂、一蝶幻景が短編の題である。光琳の弟の乾山、狩野派に対抗した長谷川等伯、そして狩野派の絵師達が歴史の中でどんな風な感情を持ってその歴上の事件と対峙しながら筆を持ったのかが、読み取れる。歴史とは全てのジャンルを巻き込んで時間の渦を作っていて、絵はそれ一つだけで時間をなぞってはいない。そして人もである。この本は凝縮した芸術ともいえる。何が何だかわからない文だが、読めば少し私の表現が合っているところもある、と思うかもよ。
狩野派の絵が、あまり好きでは無かった私も、これで興味が湧いてきた。
Posted by 新茶 at 17:29│Comments(0)