2012年09月21日
高島哲夫「命の遺伝子」
この本で解ったこと。細胞には新陳代謝を繰り返しながらその速度が老化していくものと、一定の成長から止まって死ぬまでその細胞が働き続けるものと二つある。皮膚なんかは、繰り返しのタイプ、心臓のような臓器は後者。そして大腸菌などの細胞は永遠の命を持っている。それは遺伝子の構造による。しかし進化する生物は死を繰り返しながら進化する。死が無いとと進化しないのだ。話しの筋はナチスがこの遺伝子の構造を変えて永遠の命を得ようとしていたこと、また主人公(生科学の教授)の家系にウェルナー症(40歳あたりから急速に老化が始まり、3年以内に死に至る)が有ることがベースである。ステージはドイツ、アメリカ、ブラジル、イタリアと目まぐるしく変わり、息つく暇もなく事件が襲う。これ等、危機への遭遇は全て他人を救うための行動である。難しい生医学の話も分かりやすく語られて、スムースに読めた。映画に出来そうな話であった。人間の根底にある愛とかの言葉を表に出さずにここまで描きっている。すごい作家です。
蛇足:文中にカリフォルニア大学のサン・ディエゴの研究所の名前が出てきたので、カーンのソーク生物学研究所が頭に浮かびました。写真で見る大理石の中庭からの景色に思いを馳せてGAを開いています。話しが逸れて申し訳ない。
Posted by 新茶 at 16:29│Comments(0)