2012年10月22日
「東京駅物語」
「東京駅物語」北原亜以子:著 を読んだ。
先日東京駅に行ってきたけど、その前からAさんは僕の所にこの本を置いてくれてあったのに、帰ってきてから気が付きました。行く前に読んで欲しかったんだろう。以前ジョサイア・コンドルの鹿鳴館の話「暁英」の本の時もそうだった。ありがとう。思いやりに答えてないですね。
東京駅を造り始める頃から戦後に至るまでの間の東京駅に係わる話を、連作にして物語っています。想像するとおり、普通の人の人生の通過点、出発点、終着点を激動の時代(明治から昭和)の風と共に描いています。5話の語り口調の「山手線」は好きだ。亡くなった親戚の太っ腹の大きなおばさんを思い起こさせた。9話あるが全ての登場人物が少しづつかかわっていて、結局みんな普通の人間として民衆の一人として登場している。鉄道に乗る人はみな平等。運賃さえ払えば誰でも何処にでも運んでくれる。この視点が、駅が人生の1ページを描いていると感じさせてくれる。
辰野金吾の話も出てくる。建築ってステージだね。
写真に霞がかかったように見えるけど、実物もこの様な色合いの表紙です。インパクトがないけど、美しいパースペクティヴで実にいい画です。タイトル名とかの入っていない画をみたいものです。文春文庫でした。
Posted by 新茶 at 10:05│Comments(0)