2012年12月04日

林檎と蛇

林檎と蛇
「林檎と蛇のゲーム」森川楓子:著 宝島文庫
 青少年向け?では無く充分に大人向けで、愉快なミステリーです。ドタバタで有り得ない状況を設定していますが、それなりに納得できます。最初は事件が単純な経過をたどっていって解決するんだと思っていましたが、過去の話が出てきたトタンに面白さが増していきます。でもこの過去の物語が無くてはこのミステリーは全く意味をなさない。主人公が事件の解決後に語った言葉に、「・・・。そうじゃない、私はパパとママが作ってきた歴史を引き継いで生きてるんだなってことがわかってーーー良かった」がある。皆そうなんですね。みんな引き継いでるんですね。これからもズーット。その時代その時代で、自分の人生で主人公を演じてきた筈なんですね。遠大な歴史の積み重ねの上に自分が生きているってこと。その日暮らしをしてると忘れちゃうもんな。

 静岡新聞に感想文コンクールっていうのが載っていたのを読んでびっくりしました。こんなに若い人がこんなに上手に理路整然と自分の意見を書けることにです。それに真面目です。ですから、日常の中の若い人の感情を含んだ感想も聞きたくなりました。社会矛盾に対する自分なりの正当な表現も大事ですが、もう少し汗や涙のにおいのする叫びに近いものも聞きたかったのです。新聞では、そんなのは無理か?




Posted by 新茶 at 13:31│Comments(0)
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