2013年01月15日

ねじめ2

ねじめ2

「シーボルトの眼」著:ねじめ正一 集英社文庫を読んだ。前出の「眼鏡屋直次郎」で脇役の出島絵師 川原慶賀が主人公である。いい加減でお調子者で、感情の起伏の激しかった慶賀が、今回は題名の「シーボルトの眼」のとおり、まさしく日本をスパイするシーボルトの眼となって、書き続けた絵師としての生涯である。シーボルトの妻たきを擁護しながらも、北斎の娘応為と長崎で暮らすまでの絵師としての人生はまさしく職人としての絵師でした。写実と芸術に揺れた故のたきとの暮らしだったのでしょう。感慨深いものが有りました。もし、カメラがあればシーボルトが慶賀に課した仕事は慶賀が居なくても良かったことかもしれない。でもね慶賀は慶賀しか出来ない慶賀の仕事をしたのだと思える。それが絵師である。

今朝の「紫匂う」のカット。竹藪の向こうを走る男。すばらしい動きのある構図、色合い。東海道「庄野」を思い出しました。



Posted by 新茶 at 09:06│Comments(0)
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