2012年09月18日

フィンランドの暮らしのデザイン


サーリネンの絵葉書、カレワラの装丁の絵葉書、チケット

マリメッコのタピストリーとムーミン

 静岡市立美術館の「フィンランのド暮らしのデザイン」展に行ってきました。一般的にはムーミンとマリメッコで知られているフィンランドですが、ヨーロッパの辺境の地であるがゆえに、歴史に翻弄された国です。しかし彼の国は「カレワラ」という叙事詩を基盤に独自の国民性を築いてきました。芸術文化に対しては特筆すべき優れた人々を世界に知らしめています。
 印象の深かった展示を感じたままに記しておく。最初は3人の国民的画家の絵画です。印象派の影響を受けながらも独自の風土を描き出して、独自性が見て取れる。極寒の地の夏、雪の表現、が素晴らしいのだが、光の扱いは面白い。太陽は横からあたる故に影は長く伸び、その中にいろんな彩を描く。厳しいけど自然への敬意が現れていると思った。
 建築家エリエル・サーリネンの計画図面が展示されている。建築家なら誰でも知っているエーロ・サーリネンの父である。論理性と具体例で国民的ロマン主義と呼ばれ、イギリスゴシックとモダニズムの融合を計り独自性を試みている。代表例はヘルシンキ駅、カレワラ会館である。旨く説明できないから、見てきてほしい。
 イタッラの食器は近頃はどこのインテリア店にもあるが、このモダニズムそのもののデザインはサスティナブルを形で表している。使い勝手が基本でありながら、デザインの必然性を控えめながら主張している。アアルトのデザインした建築から家具、照明器具ドアの取っ手までが、すべてこのデザインするという作業を完全に全うしている。このデザインするというものに敬意を払える国民性はとりもなおさず「カレワラ」から続いたフィンランドという風土が織りなした独自のタピストリーである  


Posted by 新茶 at 17:48Comments(5)