2015年12月04日
平将門なのだ
「瀧夜叉姫」陰陽師 夢枕獏:著 文春文庫
平将門って名前は聞いたことは在るけど一体どんな人でいつごろの人?っていうのが多分大多数。なんか強そう。この将門を今回の獏さんは劇的なる劇に仕立て上げて復活させました。正に復活です。将門伝説については、WIKIで調べるととんでもなく面白い豪傑の武士であることが知れ、朝廷に楯突く悪者として明治大正ときらわれましたが、その前の徳川の世では神田明神にも祀らわれていたそうで、阪東、関東では英雄だったんですね。この将門の怨霊が死後20年後の晴明の時代に復活して荒くれ廻るんです。一時は読んでいて何が何だか分からなくなりますが、自然に解けてゆきます。急いては事をし損じるってなことです。死体や悍ましいことが横溢して、夢枕の独壇場ですが、しかしして面白いから読んでもいいと思う。晴明を読むことは平安時代の平安でない紆余曲折の平安時代をイメージすることになります。日本のかたちです。
Posted by 新茶 at
08:05
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