2011年07月02日
粗い石
読み終えました。難解な文章でした。学術書意外は大体読んでいるうちにシーンをイメージ出来るのですが、戒律の厳しい修道士の日記の形式ですから、禅問答風に抽象的言語に置換されているのではないかと思いながら読みました。それにも増して建物を創るという執念には感服いたしました。この時代に石で建物を創るのがいかに難しかったのかも理解しました。主人公ギョームと僧院長が美しい回廊の階段についての問答は象徴的です。「時間が解答してくれます」今まさにこの階段は、回廊は、答えてくれています。美しい光は意図された粗い石とエッジを丹念に削った石工達の賜物だったのです。本物を観たい!。この本を理解するのに芸術新潮の20028月号が参考になります。中村好文氏と木俣元一氏のロマネスクとゴシックの案内は秀逸です。
Posted by 新茶 at
10:11
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