2011年07月12日
俳風三麗花
俳句と三人の女性の昭和初期の恋の話。と云ってしまえばただそれだけ。しかしながら六十才代の男が暇を惜しんで読み続けられる何かがある。美しい文体と文学性、文系コンプレックスの私などを一言でイチコロにさせる上手さです。ジョウヒンです。典雅です、こういう文学も在るんだ。それにしても文書きは膨大な資料を読み通しているんだなあと感心します。私なら、どこにどの資料が入っているか分からなくて右往左往するのだけで一日が終わってしまいそうです。しかもアラスジを考えていたり、ドンデンガエシの為に伏線を仕組んでいたりしたら・・・考えただけで眩暈がしそうです。奥ゆかしい情熱と気品の作品です。三田 完:著 文春文庫
Posted by 新茶 at
09:47
│Comments(0)