2012年02月25日
松本清張
「十万分の一の偶然」を読んだ。功名心、名声の為なら人を蹴落とすことなどなんでもないという思いへの復讐である。がしかし復讐もありなのか?清張は常にこの、どうしようもない矛盾を孕んだ問いかけをしてくる。そして行き場のない答を残しながら終わる。読者それぞれに「自分の答をみつけろ」と言い続ける。私なんぞはジーンときてただ終わる。重すぎて、遠すぎて答も出せないままである。回避も一つの手法だから、いつの日か機会があったらまた清張を読もう。

Posted by 新茶 at
10:31
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