2013年04月06日
山本周五郎
「与之助の花」新潮社文庫で短編集です。久々の山本周五郎でした。今は亡き武士の気概を大らかに、ユーモアを加味しながらも、男なるもの、いや人間である者はこうでなくっちゃ、と謳い上げます。周五郎の作品には泥臭い人間の動物的ともいえる感情も愛おしさの一部に変えてしまうヒューマニズムが通奏低音のように響きます。どんな時代背景においても、上下の境無く、ひとの感情は同じだよ、って言っていると思います。300ページの中に13篇が収められていますが、すべてが珠玉と言える周五郎の匂い満載の物語集です。山梨県韮崎市が生家のある所なんだって。
Posted by 新茶 at
09:57
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