2019年05月20日
孫
孫、息子の子供が生まれた。14日に。最初は胎児っぽかったのに、数日経過すると赤ん坊らしくなってきました。この空気に慣れてくるための皮膚をこしらえているらしい。生きるって大変なことなんだね。生まれてきてよかったと言えるように生きてほしいですね。自分もこんなに感動的な誕生を迎えたのだろうか?今になってみれば何もわからない過去。
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10:57
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2019年05月18日
山道
上、「山 道」ストラーダ:中尾勘二、桜井芳樹、関島岳郎、久下惠生
亡き篠田昌巳のコンポステラの続きだぞー!東欧の乾いた田園いや、荒涼とした畑に吹き荒ぶ厳しい風の中での暖かさは情熱の音楽しかないのだ。これは私の昔見た映画のシーンから引き続いたイメージです。でも少しも外れてはいない。厳しい自然と立ち向かうのは、吐息と腕だけ。楽器をかき鳴らし喜びを忘れない命だけが生きていける。地球上、何処にでも悲しみや喜びは転がっているのだ。篠田の音は中尾と関島のストラーダとNRQに蘇っている。少しずつ角度を変えながら、ピアニシモからフォルテシモにまで快楽と悲しみを叫び続けている。
コンポステラのジャケットはボロボロです。音楽は取り戻せない過去。リード楽器のマイナーはなぜこんなに悲しいんだろう
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09:38
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2019年05月11日
そのウソ
「そのウソお見通しだ!」平間巡査部長の捜査ファイル:山本甲士:著
被疑者と捜査官のコミュニケーションを抽出しながら、それらが解決の根本を成すという、面白い手法。最初はナーンダと読んでいるうちに、老若の二人の駆け引きに巻き込まれあれよあれよと止まらなくなり、最終頁まで来てしまいました。心理学と生理学の面白さに笑みながら、また自分の行動に身震いしました。あー!自分も同じ人間なんだなって、納得です。でもズーとこれで他人を観察してたらいやな奴だよな。体はウソをつかない。定理ですね。
「「ALL ALONE」Mal Waldron
んーん難解なのかもしれない。昔は何の気なしに聞いていたのに今になって不思議と、なにをしたいんだ、と思うところが随所にでてくる。でもそれが全体に蔓延していて、言ってみれば宗達のヘタウマみたいなのだ。コレワカンナイカナーと言われているようである。そしてマル特有であることも難解さの一つでもある。何せ他には聞けないからである。簡単にまとまりはしないよってな感じである。そして度々聞きたくなるのはなぜだろう。すごく抒情的であり抽象的でもあるってことです。浸ってしまえばそんなことはどーでもいいんです。
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09:41
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2019年05月02日
希望荘:宮部
「希望荘」宮部みゆき:著 文春文庫
離婚した杉村のその後のいくつかの事件簿です。連作なのです。相変わらず徹底的に詰めのディテールもゆるぎなく宮部の持ち味満載です。短編ですが一作ごとにこれはいいね。っと言いながらつぎに進んでいます。解説の杉江松恋さんの文体も秀逸で気に入りました。杉村三郎という人物の目と頭が事件にどう向き合うかが、杉村の存在する意味を提示しているらしい。杉江さんは宮部を上手に解りやすく描いてくれています。
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17:48
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2019年04月20日
誉田龍一の2冊目
「消えずの行灯」本所七不思議捕物帳:誉田龍一 著
絵筆のような文体であざやかにくっきりとシーンを作ってドラマのように動き始めます。読者が頭の中で描くように展開します。上手いというより魔術かもしれません。こんなふうに書ければ実況アナウンサーも可能です。色々な人の小説をよんできたけど、こんな人は始めてだと思う。ディテールも構成も捻りが効いていて結びも爽やかです。もう少し読んでみようかと思います。
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14:59
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2019年04月19日
庭木
今年も春が巡って来ました。自治会が終わってホッとしたので念願の庭いじりに手を染めました。松の手入れは済んでいるので比較的に楽でした。頭が混乱してニッチモサッチモ往かなくなった時に、松の木を触りました。心が荒んでいたので、切りすぎたようです。
上は父の形見の牡丹。この牡丹が好きだった、そしてどんな天候にもめげず、毎年咲きます。真ん中はカマツカ。可憐に花が咲きます。確か、静岡の護国寺のシズオカクラフト展の帰りに買った記憶がある。盆栽だったはずだが単に鉢植えでのんびり過ごしているという風情になってしまいました。これでいいんです。下はヒメウツギとシロヤマブキです。今を盛りと花をこれでもかと付けています。あの過酷な冬を私と一緒に超えて来たんですね。
山田正博くんは彼岸に行ってしまったけど、まだ病気の不安を抱えた拙者は生きています。まだ69歳です。随分と生きて来たんですね。69年という自覚がないけどね。
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17:55
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2019年04月11日
手習い所
「泣き虫先生、江戸にあらわる」手習い所 純情控帳:著:誉田龍一
副題やらなにやら長い題だ。それに狙っているものが表紙に浮きに出ている。がしかし、である。そういうステロタイプを見せながら、また、こんな低い位置から、ゴメンくださいなんて言いながら、なかなかの面白さを破たん無きディテールを駆使して披瀝してくるところは素晴らしい。なにせ、シーンが描きやすいので、物語性まで優しく描けるのだ。時代劇ってのはこうでなくっちゃ。次が読みたいね。
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08:40
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2019年04月06日
宮部みゆき
「とり残されて」宮部みゆき:著 文春文庫
7編のうちの「たった一人」にやられました。なんといえばいいか解らないけど、こんなこと有りそうで無い。けれど頭の中では時々出てくる状況。全てが幻想だった?宮部の真骨頂でした。荒唐無稽なSFよりずっとSFなんだよな。
話変わって、鳥の話。とりが飛ぶ前の翼竜の話。空を飛ぼうと欲したのはあの無骨な恐竜達だったのか?羽根を持った昆虫類がいたのか?羽根を持つということを啓示したのは神?空を飛ぶという自由の獲得は生物にとって大きな哲学的意味をもつ。ボラーレ
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15:34
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2019年03月07日
イタリア
「ジーノの家」内田洋子:著 文春文庫
新潮社の「考える人」でずっと気になりながら遠巻きにみていた本の紹介でついに読んでしまいました。んーんなるほど上手い!。いいねー。イタリアがこんなに書けるなんてびっくりものでした。全くのイタリアが目の前に浮かぶし、なんか匂いまでも漂ってきそうです。全ての編が感動します。誰かも読んで下さい。私のイタリアはずーと前だけど、中世の面影を見せる景色は今も面々と続いていてほしいものです。あの喧噪や満面の笑顔の人々も。この本にはスケッチや写真が一枚も無いのだが、読んでみれば分かる。
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08:21
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2019年03月04日
乃南アサの紫蘭の花嫁
「紫蘭の花嫁」乃南アサ:著 文春文庫
無理があるけど、凄く面白い。入り組んでいるけど面白い。人は経験によって未来が決まる。女は強いけど、男は弱い。情けない程弱く脆弱なので、男には悲観した未来しか見えていない。乃南は女性を強く描く。
昨日息子の引越しで、刈谷から豊橋に行ってきた。この小説に登場した場所なので背景を描くのが楽しかった。でも、疲れた。息子は私と同じ、性格なので、纏めたり、分類したりが非常に苦手ゆえに、苦悩している。同じ波長なので手に取るように解かる。行く末大丈夫なんだろうか?私と同じ轍を踏みそうだ。嫁さんが苦労するだろう。豊橋は大きな町でした。色んな土地にいろんな人が生きているんですね。
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08:36
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