2013年08月19日

ビブリア古書堂4とつむじ風



「ビブリア古書堂の事件手帖4」 三上 延:著 メディアワークス文庫
今回は江戸川乱歩の古書が登場。そして、そのコレクターの恋の足跡。その上、主人公を取り巻く人達の感情の絡み合い。なにがなんだか整理できないけど、少しずつ絡み合った糸が解れてゆく。まあ腹にある消化出来ないものを吐き出さない故の絡み合いでもある。賢い人はなかなか語らないから、凡人は右往左往してしまうんです。あそこで一言語ってくれていればってな事です。ひとつ、どうしても主人公の栞子のイメージが私にはもう少し年齢の高い女性に思えてならない。

「つむじ風食道の夜」 吉田篤弘:著 筑摩文庫
表紙のロゴがとてもいいです。星の意味は読んでいるとわかる。全編舞台は夜を背景にしていると錯覚してしまう。内容が現実から遠く離れた架空の世界を描いているように思えるからだ。記憶や思い出を大事に抱えながら生きている人々。そして全てが詩のように一つ一つの言葉や文が意味を重ねた深い情景を連想させる。全頁に附箋をしたくなる言葉が溢れている。東西南北のちょっとした話は面白かった。登場人物は今では少ない人間達、人種でしょうか。目まぐるしく移りゆく現代には付いて行けそうにもない人間達の共和国かもしれない。ビブリアも情景は似ているね。

近頃物忘れが顕著になって、もしかしたらアルツハイマーの前兆なんじゃないかと不安になってきた。今迄の自分とは明らかに違っていて、脳に繋がらない部分が出てきたように感じる。こうして老化が始まっている事を自覚した次第。
  


Posted by 新茶 at 08:30Comments(0)