2013年09月11日

丹下健三、短編集、民芸運動



先日行ってきた寛次郎記念館とのつながりで、雑誌「和楽」の日本民芸館の記事を読みました。多少は知識として入っていますが、読み直すといくらでも自分の脳内を再編集できます。日本としてのアイデンティティーを具体的に民芸から提出されると安易に頷いてしまいます。私の中では確かにうごめいていますが、何処かに戻ってしまうような気もします。私には私のなにかが。



「芸術新潮8月号」特集:知られざる丹下健三
磯崎が丹下を語っていてとても興味深かった。コンセプトのはっきりしたドグマティズムの建築でありながら、時代を上手く取り込んでいるところは流石です。丹下式日本的なるものを遺憾なく表現していて爽やかとも感じました。縄文的曲線を弥生のモダニズムでコントロールする。と言いながらも同誌に掲載されている谷文晁の絵も、ある一方で日本的なるものなんですね。コントロールなど出来そうもない、深い日本です。

「短編ベストコレクション2007」徳間文庫を読むと、これもまた大いに日本的なる文学作品だと感じました。これらの作家たちは現代と過去の時間に共通する人間(日本人的)の揺れ動きながらも確かに存在する気持ちを文字で表現していてすごい人達(作家)が居るんだということに驚いてしまいます。「野和田さんちのツグヲさん」のユーモアが好きです。  


Posted by 新茶 at 20:58Comments(5)