2014年05月31日

浅田次郎と花




「月下の恋人」浅田次郎:著 光文社文庫 短編集
余韻というか、どうなるんだろうという気持ちを引きづりながらも、何かが胸にきざまれていく。浅田は常に人間の何かを描くために、アウトの人を登場させている。でも読者全ての人の中にも同じ断片が何時、目を覚ますか解からないのである。過去に捨てた筈の記憶を「フッ」とよびさました時に誰しも、あの時・・・となるわけである。レールなんぞ何処にも無いのである。我々は思い込みで生きているのだ。

何日か前に静岡新聞に載っていた「サラサウツギ」である。先日岡部の山沿いの集落(災害危険区域)の道をあるいていたら、廃屋の庭に怪しげにこのサララウツギがしだれ桜のように咲いていました。新聞に掲載されていたことは忘れていたけれど、見たことも無い花を摘んで来てしまいました。家に帰って気が付いて新聞を切り取りました。挿し木で着かないかなー?勝手に、見目麗しい青春を送った女性の現在を連想しました。花の香りは幽玄でもあります。  


Posted by 新茶 at 10:39Comments(0)