2014年06月10日
まだ六道慧
「甚を去る」六道 慧:著 光文社文庫
何が面白くて読むんでしょう?これだから時代小説は止められないっていうものを説明できないのだ。NHKの時代劇のシーンが簡単に想像できるところでしょうか。そして展開がアレヨアレヨという間に、あーそうだったのかと膝を叩くことになるのだ。この快感です。今回の「甚を去る」は急がずにコツコツとやればよい、という意味らしい。急いては事をし損じるという意味でもある。琵琶湖の丸池藩の藩主が父への恨み故、暴走するのだが、幕府御算用者の数之進と一角がこの藩を窮地から救う話。このように書いてしまうと、非常につまらないけど、読めば非常に面白いのである。
「親鸞」静岡新聞連載小説 親鸞の息子への対処に暮れる嘆きの図であるが、嘆きを現すのに、歪みの景色にしている。感情の起伏が激しい時には景色も歪んでいると誰しも思い当たるかもしれない。下は親鸞が経机にむかって和讃をしたためている図なんだけど、物忘れが頻繁に訪れるようになって、時々上を向いた仕草をしている。こんな時でも袈裟を付けているのだろうか。ほんの小さな絵だけど、ため息がでちゃうのだ。
先日の稽古の後に先生から縞葦の苗を分けて貰ったので、柿木の下に植えた。涼しげだったので、以前に作った一重切の花入れに指してみた。
節の下を一センチ程切ろうと思う。
Posted by 新茶 at
15:55
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