2017年06月21日

スキップ



「スキップ」北村 薫:著 新潮文庫
真理子さんが17才のある日から25年をすり抜けて42のオバサン先生で登場。17歳が42歳の先生を、しかも一人の子供持ちの先生主婦を突然演じなければならない状況です。面白い設定。SFでも極めて時間の観念がここまで集約された設定は出来ない。なぜって、それほど時間を扱うってのが難しいからだ。真理子さんの覚悟が素晴らしい。いや北村の哲学なんだろう。文中の至る所にこの時間に対する哲学の言葉が散りばめられていて、北村の精神の実像が少し見えてくる。今、本川達雄の「ゾウの時間ネズミの時間」を読んでいるけど、やはり時間です。この難解な時間というものに挑むと迷宮に入り込むことになりますので、この辺にしておきます。でも一番面白いのかもね。  


Posted by 新茶 at 09:54Comments(0)