2011年09月07日

仏果を得ず


「仏果を得ず」三浦しおん/双葉文庫
これまたお勧めの本です。文楽の世界をどたばたと面白おかしく綴っているのですが、本当はすごい情熱で義太夫の主人公を描いている(作者は文楽がとっても好きなんだ)。文楽ってもう少し形式的に演じられていると思い込んでいたけど、衣装の下は汗びしょりで、役に成りきって、トランス状態になって演じて、もっともっと緊張感と情熱のある舞台なんだね。流してなんか出来ない芸能なんだ。全ての芸能はこの熱い臨場感で成り立っているんだ。今度近くで文楽の公演があったら行ってみよう。もっと前に読んでいたかった。形式の裏に潜む情熱と狂気。芸術って何らかの情熱と狂気とそして表現の自由への堺目かも。んーん惹かれる。
  


Posted by 新茶 at 09:07Comments(2)