2012年11月28日

京極夏彦なのだ


「西巷説百物語」京極夏彦、角川書店
まあ、面白いったらありゃしない。読み始めたのが運の付き。走り始めたら止まんない。終わるまで忘れたくないから、終わんない。今回の舞台は大阪ですねん、大阪は情が深くて怨念も深くて何でもアリで、故に文化までもが深い。七編の連作の中に今までの物語が総じて彼方此方に出てきます。懐かしい登場人物もね。心の裏の裏、奥深い奸計も暴き出します。相手を暴き出す故に此方もこれでもかっという程に策を講じて戦うのだけれど、バカらしいけど気持ちがいい。悲しみも、寂しさも儚く消え去り気持ちがいい。ズーーート京極を読んできたけど、やっぱり上手い。一時一句がときめきで、一行一行に惹きつけられ、一遍一編が劇場なのだ。すらすら読める大阪弁も楽しかった。いろいろと胸に落ちる言葉が至るところに在ったけど、そんなことは読後、もうどうでもよくなった。本全体で面白かったからだ。東西南北と続くことをキボーします。私の周りに京極のファンって居るのかなあー?  


Posted by 新茶 at 12:13Comments(2)