2013年11月29日
パラダイス クローズド
「パラダイス クローズド」汀こるもの:著 講談社文庫
ペンネームが変、でもどうでもいい。題名は多分、密室の楽園。事件の舞台は小笠原の弧島、もうこの辺で閉ざされた世界が想起される。双子の兄弟が事件に巻き込まれる、というか巻き込んで連続殺人事件がおきる。故あって刑事も同行している。この辺が物語なんだけどね。面白く印象にのこっているのが、生命の起源やミトコンドリアの薀蓄が全体の大半に及んでいることなのです。好気と嫌気性の微生物。もう生科学の深淵なる不安定さの命というものを知る機会を得ました。寄生と共生なども瞬間だけど理解しました。ミトコンドリアは細胞という密室で酸素を食べてエネルギーに変えて細胞に奉仕しながら生きながらえています。奉仕するのに反発しないで囲われて安住の地を得ています。人間も同じで、どこかに帰属しないでは生きられないのです。架空の檻も必要なんです。一匹狼も森という囲いの中にいるんです。自由とは脳の中の産物かもね。
Posted by 新茶 at
08:31
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