2013年07月14日
あさのあつこ:2
「夜叉桜」あさのあつこ:著 光文社文庫
前回に引き続きのシリーズ。今回は女郎連続殺人事件なのだ。同心の信次郎と岡っ引きの親分伊佐治とで、この事件になんらかの関係のある小間物屋店主清之助を起点に事件を探る。表向きでは見えない日常に、ノミをいれて暗闇に巣食った心を暴き出す。人は誰でも生きている限り心の闇を溜めこんでいる。江戸時代の市井にモガキながらも生き続けるにはその闇の一つや二つは抱え込んでいるのが普通であった。それでも、小さくても儚い希望に向かって明日もいきる。こういう風に書くと普通だけど、読んでいるとすごくいいんです。解説はあの、嬉しくなっちゃう、三浦しおん様です。。このトリオ(同心、岡引き、店主)の設定は羨ましい。互いが他の二人を評する言葉が、時々あるのだけれど、素晴らしく相手の本質に迫る言葉があって、これがいい。でね、この続きも手元にあって、読み始めてしまうでしょうね
またもや山口晃の親鸞のカット絵です。左上は鉛筆風、右上ペン、左下筆、右下塗り風です。連載されている文の一場面が描かれていますが、時代的風景や心理も的確に想起できます。ユーモラスも取り入れて、漫画風でもあります。文に差しさわりの無い程度に絵が膨らませてくれているのです。絵が潤いを加味しているんです。だから私の楽しみなんです。
母が今朝病院から帰ってきました。主屋にエアコンを入れました。10万円かかりました。鼻の管を入れたままで、介護タクシーで帰ってきましたが、帰る前に病院で「ここはどこ?」と聞きました。まったく理解はしていないけどいいんです。未だ現在と繋がっているから。
Posted by 新茶 at
18:03
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