2018年01月27日
西加奈子「サラバ」
「サラバ」西 加奈子:著
「さくら」「円卓」「こうふくみどりの」と立て続けに読んできた。何故か判らないけど読む気持ちになった。一体なんだ、誰?よく判らないけど気になる作家、登場人物もそう。こちらも突っかかりたくなるけど、疲れるから構わずに目線だけ這わせて黙ってみている。そういう人。たぶん、自分の中にある感情を露呈させて代弁しているかのようでもあるのだ。男も女も同じく感情という揺らぎは極めてアナログで、制御出来ないのだ。太古の昔からこの人間の気持ちという不可思議な正体は時間とともににんげんに一番大事なものなのかもしれません。それにしてもかわらぬ感情というものを書き続ける小説って変わっているようで、一つも変わらないのですね。一昔からはとんでもなく変わっている小説です、この「サラバ」は。次に宮部を読んじゃってます。
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09:50
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2018年01月07日
確証
「確証」今野敏:著 双葉文庫
窃盗の部署の刑事。なかなかの職人気質の刑事であるからして、我々と同じくもう化石なのかもしれない。でもそこにあるヒューマニズムやコツコツは不変であると思う。民俗学の野本先生も足で学べと言われた。想像すると遠大な時間がかかりそうなことでも、小さな時間の積み重ねでかくとくできることもあるんだよ、てなことも学んだ。今野敏を読むとこのへんにも行き着く。自分を確証しているのかもね。
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10:43
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2018年01月03日
池谷裕二さん
「単純な脳、複雑な「わたし」」池谷裕二:著 講談社ブルーバックス
表紙からして難解そうでして、難解です。でも、コアな人たちからすればこれは、普通。しかし吾輩のような凡人でもゆっくり、且つめげないで、諦めないで最後までガンバルと中身が少し見えてきます。そしてへー!と感嘆するのです。一番の驚きは、生物の機能はとんでもなくよくできていてボンクラな人間にもその機能が備わっているということです。それがこの地球上に存在している。これは奇跡!まあこんな生物が他の天体にいる筈などあり得ません。いっぱい存在しているって言うけど、僕は居ないと思う。とにかく誰でもいいから読んでみてください。東高の卒業生ならなおさらです。
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10:31
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2017年12月18日
また暮れの松
玄関脇の松:半年ほったらかしておくと、こんなになってしまう。随分手のかかる木です。父の遺産ですから無碍にも出来ず、乱暴に扱いながらもそだてています。書道の合間に松の枝を眺めては、葉を毟っていたのを覚えています。手入れをしたかのような姿にしたつもりです。素人ってこんなものです。
これが手入れの跡。切り過ぎといわれます。ボントロさんに教えてもらった(教えたとは思っていなかったかも)通りにやったつもりです。
もう一本の松:これもモサモサになっていて下は枯山水風の玉石が敷き詰めてある。兎に角脚立の足場が無いので姿勢に苦労する松です。これでも小さくしたんだが。
またしても切り過ぎです。エイヤーがプロでない証。サムカロネー
切葉と小枝が一本の松からこれくらい出てきます。燃えるごみの日ではなく、剪定樹木の日に出します。木の下にビニールシートを敷いて作業をしないと、拾い集めるのに苦労します。ハサミもきれないと危ないし、今回も左の中指を切りました。研がないとダメだね。
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08:44
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2017年12月18日
さよなら妖精
「さよなら妖精」米澤穂信:著 創元推理文庫
米澤に関して読む順番などは気にしていない。だからいちごタルトもいつの日にか読むんだろう。今回の太刀洗と守屋も前回と同じく奥歯にものの挟まった会話で、展開していく。が、しかし、なのである。そうです。人は思いのほか饒舌にならざるを得ない時もあるのです。心とは言葉なんです。いろはにが抽象であるにもかかわらず、気持ちを具体的に表現できる音なのです。それで今回は人が他人と一緒に生きる国や共同体とはいったい何なのだろうという問題を提示しています。何故、社会の既成の枠の中で生きて行かねばならないのか?不思議な地球の中に自由に生きる術はとても小さいということです。一人では生きられないけれど、社会で生きるのもそんなに簡単ではありません。マーヤのボスニア・ヘルツェゴビナの紛争が、私にとっては自治会の行動とダブって見えてきました。
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2017年12月13日
鯨さん
「神田川」見立て殺人 鯨統一郎:著
以前も読んで面白かった鯨さんです。ミステリーで安心て変だけど震えて読み進めなくなるよりはいい。温かい布団のなかでじっくり読めるのも幸せです。手袋もして。だいたい推理は出来るのですが、状況が奇天烈で笑えるのも楽しいですね。シリアスの合間というか、落ち着きのない現実のなかで、たまにはゆったり味わう時間もほしいものです。
タラちゃんに池谷裕二さんの「単純な脳、複雑な私」てな本を薦められました。これまた面白い。どこに概念?全てが概念?わたしなんぞすべてが錯覚の人生どすえー。読み終わったらここで。
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08:41
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2017年12月07日
さよなら妖精
「さよなら妖精」米澤穂信:著 創元推理文庫
米澤に関して読む順番などは気にしていない。だからいちごタルトもいつの日にか読むんだろう。今回の太刀洗と守屋も前回と同じく奥歯にものの挟まった会話で、展開していく。が、しかし、なのである。そうです。人は思いのほか饒舌にならざるを得ない時もあるのです。心とは言葉なんです。いろはにが抽象であるにもかかわらず、気持ちを具体的に表現できる音なのです。それで今回は人が他人と一緒に生きる国や共同体とはいったい何なのだろうという問題を提示しています。何故、社会の既成の枠の中で生きて行かねばならないのか?不思議な地球の中に自由に生きる術はとても小さいということです。一人では生きられないけれど、社会で生きるのもそんなに簡単ではありません。マーヤのボスニア・ヘルツェゴビナの紛争が、私にとっては自治会の行動とダブって見えてきました。
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08:42
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2017年11月28日
緑
「こうふくのみどり」西加奈子;著 小学館文庫
ラテンや生物に近い、あるがままの多様性を許容し、醗酵して腐敗に近くまで到達した文化ともいえる浪花の匂い。情熱で生きる、そして死ぬ。緑は中学生でそれを知る。でも本当にそんなものが有るのだろうか?かってに作ったイメージかもしれない。有ると思い込んでいる。刷り込まれた大阪。いや、自然に獲得したトポスなのかもしれない。まだサラバは読んでいない。今日、お母屋の玄関に弟(身障者)用に踏み段を作った。浜松の姉も左が不自由なのでこの踏み台が活躍すると思います。たまには役に立つものも作ります。愛知の息子は歯を食いしばって、がんばっているかな?親ってこんなもんですね。情感は大阪人も藤枝人も同じです。
赤い文机を朱に塗り直しました。下のは既存。そして黒いのも作ってしまいました。まったく何やってんだろう?
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19:27
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2017年11月22日
西加奈子
「円卓」西加奈子:著 文春文庫
じゃりん子チエのシリアス版でもあるし、んー。ことばで言い表せない情景を感情をはりめぐらしている。難しいのかもしれないが、そういうふうに読まずに読んだ。ドロドロの大阪だけど、ただ古いだけの個性かもしれない。一冊目だから解らないけど、たぶんこの調子がこの人なんだろうと思います。例えば開口健の猥雑さの向こうに見える崇高な観念と高貴な生物賛歌とおなじく、大阪の泥からみえる命の強さと畏敬の念を大阪弁をこれでもか!とのたうちまわらせる文体。ここまでやれば新しい小説ではある。ジワーと読まずにいたことを後悔させるのである。
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19:38
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2017年11月16日
ぼくはまだ、横浜でキスをしない
「ぼくはまだ、横浜でキスをしない」樋口有介:著 角川春樹事務所
表紙からして今時の若者と、アウトな中年の都会らしいミステリーなストーリーでした。このブログを休んでいた時にこの樋口有介を読んでいたのですが、何処がどういう風に面白いと語るのが出来ません。普通だけどこの気持ちの持っていき方は自分だけかと思っていたら、この登場人物も同じだったのか、と同調することが多かったので次々と呼んでしまったわけです。面白かったという一言でも言えることなんだけどね。多分に都会のちょっと金持ちのちょっとインテリ、景色は横浜、そして電動自転車、さわやかな青春ものです。妖怪な猫もでてくるからまさしく今風。
次は西かな?
「小さな踏台」を作りました。池田建築の篤っちゃんに切ってもらいました。soraの居る加工場にて。前回の踏み台は自分で切ったため、のこぎりの刃の厚みという微妙な寸法の差を考慮していなかったので、箱ものの最後に差の集積が出てきてしまいました。此の辺の違いは匠のすごさで、ぶきっちょには深遠なる世界がみれたと申せましょう。まだ未塗装でビスも打ってないのですが、そのうちに仕上がるでしょう。もう一つの文机もタンタンと進んでいます。へたな自作もブルータリズムとかの語彙で誤魔化します。塗装もそれなりにブルートです。フォルムの意図がモダニズムなんです。こんなことを宣うちに地球は高速で自転しているんだよね。
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