2012年03月04日

「火城」高橋克彦:著


時は幕末、佐野常民(後の日本赤十字の創設者)という情熱家が押し寄せる文明と鎖国と幕藩体制下で日本の進むべき道を苦闘しながらも突き進んでゆく歴史小説です。幕末期は現代のグローバリズムの時代と似ていますが、対峙する人間達の器が違うようです。彼は後にウィーン博の芸術コーディネートも務めます。皆が中流に流されたら弛緩するんですね。周りが何とかするだろう、てな感じかな?もう一つ感じたのはグローバリズムと地方です。特色のある地方こそグローバリズムに対処出来るんだと、と読みながら考えました。平等化すべき部分と、特色化すべきものをキチンと分けないとつまらない世の中にナッチャウヨ。刷り込まれた思い込みの基準なんて曖昧なんだけど抗うのは難しいのだ。
 日曜美術館で佐藤忠良をやっていた。去年亡くなってしまった。「佐藤忠良の顔が語るもの」っていう題だった。大工と題された像と母の像はとてもよかった。宮本常一が頭を過った。彫刻でひとの生き様まで語れるってすごいね。
 花粉症を32年やってます。足の湿疹と老眼を12年やってます。頭の毛は薄くなりました。私は何をやってきたんだろう。ぼんくらな、その日暮らしが板に付いてきたようです。  


Posted by 新茶 at 10:23Comments(2)