2012年03月31日

芸術新潮1月号


芸術新潮1月号に学生時代に見たベン・シャーンが特集されていた。大衆の視点、視線。あくまでも物でなく人間を対象にした絵、写真である。荒んだ景色の中にもヒューマニズムを諦めない姿勢。人って誰しもずる賢くて狡猾だけれども何処かに人間の温もりを感じていたベン・シャーンである。日本が好きだったんだ。
 写真家の杉本博司のNY茶室も小特集で載っていた。これもまた興味深く読んだ。デュシャンの「レディ・メイド」と利休の茶の共通性を「今冥途」に置き換えた、素晴らしいコンセプトである。図書館で借りてきたからこのページはコピーしておこうと思う。
 他にも池澤夏樹のパウル・クレー小論が載っている。面白かったのは、石切場の絵。キュビズムという解釈がのちにつけられたのではなく、最初からクレーはキュビズムのモダニズムの姿勢で石切場を見ていたってこと。ベルンにあるレンゾ・ピアノのツェントルム・パウル・クレー美術館も理解出来ないでいたけど、まさにクレーの美学なのだと実感した。雑誌と云えどもすごいことが書いてあるな。  


Posted by 新茶 at 10:00Comments(5)