2012年03月11日

「食堂かたつむり」


小川糸:著 ポプラ文庫 文庫なのに装丁が良い。読みやすいページで、紙も厚いので捲りやすい。こういう出版社が在ったのだと知らされた。アナログも大事。
 話は、失恋して声がでなくなった女性が、母のいるふるさとに戻って食堂を始めるのだが・・・。 ちょっと気の利いたグルメの話かと思いきや、読み進めるうちにとても大事な事を語っていることに気付かされる。食は命。今の時代は根源的なものから離れて、上滑りしていることのほうが当たり障りなくてスムーズなんだろう。でもいつかは誰かと重たいことを語り合わなければいけないんだ。こういう場になると思い通りの言葉が出てこなくて支離滅裂になるね。でも思いを伝えることの方が大事なんだ。 念入りに取材してあるところにも共感できた。
 今日は3.11・・・
  


Posted by 新茶 at 09:08Comments(0)