2012年10月09日

松井今朝子と内田樹



「四文屋」並木拍子郎種取帳:松井今朝子
拍子郎シリーズの4冊目である。武士出の狂言作者見習いの拍子郎と芝居町の料理屋の娘との恋物語ではあるが、自分たちの置かれた身分に如何に対処しながらも、さまざまな事件を解き明かしてゆく。シチュエーションがこれでもかという程に細密に分析されていて気持ちがいい。確かにこの登場人物ならこのような気持と行動だろうなって思えて矛盾がない。芝居町は特殊な町で、そこに住まう人間は「札付き」だったんだってことも初めて知った。

「街場の文体論」内田樹:著 ミシマ社 は読みかけだけど、最初から引っ張られてしまったので書きました。神戸女学院の講義をシリーズ化したもので、まず最初に書き手は読み手に敬意を払えと説きます。「街場のメディア論」の時は「ありがとう」「ごめんなさい」の使用意味を教えられたけど、今度は人に説明して理解してもらうという事とは?らしい。受講生に宿題を出して、批評したりこれでもかと懇切丁寧に内田氏の文体論(コッミュニケーションとは)を開示してくれています。これから読み進めるうちにもっと何か頷くことが有ろうかと思うけど、知らせたくて書いてしまいました。聞いている人、読んでくれている人に熱意を込めることは当たり前のことなんですね。また読み終わったら書きます。



友人の葬儀に出席出来なかったので、昨日自宅に寄りました。涙はとめどなく溢れてきましたが、思いっきり生きた彼に納得しました。モーツァルトの「レクイエム」で彼の笑顔を思い出して浄化しました。写真は亡彼の自宅で、芝生は彼が全部植えて、手入れも自分でしていました。清々しい緑色です。  


Posted by 新茶 at 08:48Comments(0)