2012年10月19日
本と音楽?
「ビブリア古書堂の事件手帖」1,2,3 三上延:著
この表紙からしてなに?と訝しげに読み始めましたが、なかなか面白かったのです。本屋さんには入り口近くに積んであったのですが、見向きもしないで通り過ごしていた本でした。読んでみなけりゃ解らないもんです。古本屋の女主人が事件というより込み入った不可思議な心情溢れる秘密を解明していきながら、自分自身の過去も理解していく物語です。こんな風に書いたところで誰かが読み始めるとは思わないけれども、ひとの心というものは複雑でいながらも本当は単純なんだと思える話でした。#3の見開きページの鶴岡八幡宮の絵はすばらしい!表紙の絵はドウモネー、イメージが違う。60代の男性は読者としての対象ではないのかも。読んで損をする本はここには書かないのだ。
中世ヨーロッパ(スペイン)の音楽です。イベリア半島の南がイスラムに支配された時の名残が音楽に残されていて、この音楽が欧州全体に広がった模様。音楽、楽器のルーツが読み取れます。人類の起源はアフリカなんだけど、楽器の起源もアフリカなんだ。楽譜は単旋律らしく、各グループが想像でいろんな楽器を駆使しながら当時の音楽を再現しているらしいのですが、聞く限りでは今風なアレンジが加味されていると思いました。大胆にね。なにせ遠い国の遠い昔だから、とは言え、これらのCDはいろんな番組のBGMに使用されているとのことです。地中海の景色を思い浮かべたらこれらの音楽が鳴り始めている筈です。パニアグアが率いるアトリウムムジケーとカラムスとカメラータイベリアの演奏です。多分ね。洋盤だから何を書いてあるか不明。
これらはイギリスとドイツのグループの中世音楽です。デュファイコレクティヴはイタリアの舞曲音楽とスペインの教会音楽を奏で、ヨクラトレスも舞曲が主です。でも歌っている中身は愛情と神様で、根本的にはこれがすべてです。上の写真のグループとは少し違って聞こえるのはやはり北と南では解釈が異なるのかと勝手に想像してしまいます。だって日本の古楽のグループ(以前紹介した)には際立って日本風なリズムや音色が上手に加味されていたもんね。
なぜ古楽を聞くかと云えば、ノイズなんです。現在、音楽と云われている楽器は正確な音程やリズムを得る為に進化してきましたが、切り捨ててきた端っこに、表現のしようのない温もりや切なさを感じ取ってしまうからです。上手く云えないけど、リズムで云えばタメみたいなもんで、音色で云えば草笛かもしれない。キッチリとした演奏でいながら叙事詩的な雄大な純然たるクラシック音楽も感動しますが、古楽や民俗音楽は風土や心情を表現し、ひとの心を直截に掴んで、時間と過去を捨てないで!と叫ぶ座敷わらしみたいな気がしませんか?
Posted by 新茶 at
09:30
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